痩せ細った小さな野良猫が
明日も生きられるか案じながら
アスファルトを赤黒く汚す
鼠の死骸を避けて歩きながら
仄暗い悪意や執着と
それを覆い尽くす笑い声の
飛び交う街 煩わしさに顔をしかめながら
夕飯は何にしようとか

ねぇ善人ぶって心痛めたり
関係ないと切り捨てたり
本当に忙しいよな
僕らの日々の営みっていうやつは
たまにこう思うんだ
いっそ死んでしまうその時までもう
息を止めて 目を瞑って 耳を塞いで

誰もいない暗い場所へ逃げよう
って思って 走っても走っても
息を潜め後ろをついてくる
影を消して 断ち切ってよ
終わらせて

痩せ細った小さな野良猫の
死骸を避けて歩きながら
二つ三つそれらしい理由並べりゃ
仕方ないよって
そう思えてしまうんだよ

ほら生きてる内は触ってみたいけど
死んだらなんか気味が悪い
本当は怖いだけだよ
僕らもいつかああなるって思ったら
不意に脳を過るんだ
今が死ぬまでの余り時間なら
息をやめて 全部やめて
いつかじゃなく今終わって

誰もいない暗い場所へ逃げよう
って思って 走っても走っても
息を潜め後ろをついてくる
独りにはしないよって泣いて

息を吸って 目を開いてよく聞いて
私は胸に震えた痛み
だからここにまだ居ていいと思うと
嘘じゃないならちゃんと捕まえて
放さないで

今までずっと誤魔化してただけで
本当はちゃんと分かっているんだよ
綺麗なだけじゃ生きていけない
ほら 今日も朝日が昇ってしまうから
誰に許されたいと願って
何を許せなくて吠えていたの
触れた痛みは暖かくって
何かをそっと頬に落とした

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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逃避行(歌詞)

閲覧数:732

投稿日:2021/04/24 01:13:46

文字数:679文字

カテゴリ:歌詞

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