昔々、ある森の奥の塔に住む可愛らしい10歳の王女様がおりました。
王女様は、物心つく頃から女の召使たちと何不自由のないくらしをしておりました。
しかし、王女様は一度たりともご自分のお母様とお父様に会ったことがありませんでした。
「お父様とお母様はどこにいるの?」 質問に答えるものは誰一人としていませんでした。
しだいに王女様は答えられない理由がある事に気付き、塔の中にある本を次々と読み、教養のある王女に育っていきました。
そんな15歳に育った王女様の下に一人の旅人がやってきました。
「旅をしていたらこの森につきました。どうか、一日分の食事だけでも、お恵みください。」
王女様は喜びました。初めて召使い以外の人に出会ったのです。
そして、王女様は召使に豪華な食事を作らせて、お風呂に入らせ、新しい服を着せ、きれいなベッドで寝かせました。
旅人は大層喜んで、王女様にお礼がしたいと言いました。
そこで王女様は、失礼のないよう振舞うため美しいドレスに服にとおめかしをし、旅人の前へ姿を現しました。
すると旅人は、
「あぁ、王女様。貴方はとても美しい。」
と、王女様をほめました。そして、少し間をおいてから、
「お食事ありがとうございました。それに、お風呂にベッドまで・・・」
王女は微笑を浮かべ言いました。
「いいえ、当然のことをしたまでです。あの、もしよろしければ、旅のお話をしてはいただけませんか?」
「もちろんです。つまらないかもしれませんが・・・」
と言い、旅人は続けて戦争の話、遺跡、国の問題・・・などと、話しておりますと、王女様は”国の問題”のところで、少し王女様は指をピクリと動かしました。
その、王女様のちょっとした仕草を旅人は、見逃しませんでした。
「どうかいたしましたか?」
「いいえ、・・・・あの・・」
と、王女様が言いかけたとき、ザァーっと雨が降ってきました。
そして、王女様は言いかけたことを言わずに、
「貴方の名前を聞き忘れたと思って・・・雨がきついし、もう一泊していくといいわ。」
「私は名乗るほどの者ではありません。そのまま”旅人”とおよびください。」
「・・・・わかったわ。」
「ごめんなさい。今日はもうこれで失礼するわ・・・・・何かあれば召使いに声をかけてちょうだい。」
そういうと王女様はへやに閉じこもってしまいました。
そして、その日も同じようにとても丁寧なおもてなしを旅人は受けました。
旅人は少し、ふに落ちない顔をしながら、ぐっすりと眠りに落ちました。
さて、この間に、”国の問題”についてお話しておきましょう。
それは、蒼の国の王様のしてしまった、ある行動から始まりました・・・・・
ある日、王様は一通のお手紙を受け取りました。
─十年後、朱の国から軍が攻めてきます─
その手紙は、王様が朱の国へ送った実の娘からでした・・・・
娘は、戦争をやめさせるために朱の国の王子様とご結婚なさいました。
朱の国は大きな軍事国家で蒼の国の勝ち目は皆無でした。
王様は、戦争が好きではなく温厚な方です。なので、かわいい長女を結婚させ、次女の王女様は森へ隠されたのです。
そう、長女の結婚はいわば人質のようなものでした。
そうすれば、国の人々は、もう悲しい想いなどをしなくて済んだので、王様は人々がこれ以上悲しむのは嫌だったのでしょう・・・
そう考えてご決断なされたのに戦争が始まりそうということが分かり王様は、混乱してしまいました。
そして、心労が重なって王様は倒れてしまいました。
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