「幻影弾奏曲」
(1A)
うぐひす 鳴けど 未だ
降る雪に 心は白む
(1B)
ああ 春をかけて 鳴けども 泣けども
遠き逢坂 うき世の定めなれば
(1S)
青柳(あをやぎ)の 糸 縒りかくれど
ほころびて 乱れ咲く花よ
愛し 君も あの空の彼方
風に 吹かれ ゆらり 揺れて見たまふか
(2A)
池水 汀(みぎは)の花
散り敷きて 波の花盛り
(2B)
ああ 霞みつつ おぼろに見ゆる
春の夜の月 桜の花の色香
(2S)
君と見し 花は 散りぬべし
我が涙 未だ干なくに
恋し 君よ 空は移ろへど
心 揺れて かれぬ 我が泪川よ
(S)
いつはりの なき世なりせば
いかばかり 君の言の葉
永遠(とは)に 永遠に 君を忘れぬと
いかに いかに 嬉しからまし
(S')
いとせめて 君恋し時は
うばたまの 夜の衣を
返してぞ着る
水田(みづた)の上の月
ゆれて ゆれて 雲居 千代に照らせよ
「幻影弾奏曲」
遠く遠くへ旅立ってしまった(=亡くなった)恋人を懐かしむ歌詞。古い和歌を引用したりして、古文調で書いてみました。
因みに、2Sの「かれぬ」は「枯れぬ」と「離(か)れぬ」の掛詞、S'の「うばたまの」は「夜」の枕詞です。
昔は恋しい人に夢で会うには着物を裏返しにして掛けて寝るといいというのがあったそうで。
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