ある夜 音もなく現れたヴァンパイア
私の腕から流れる血を見て

ぶっ倒れた


今日 私は拾いものをした
血を見るのが駄目なヴァンパイア
噛りつけば 視界には入らないから
生きるには困らないらしい

三日月のような瞳 彷徨わせる顔
奇妙な哀愁と笑い誘い出す

それ以来 時々 家に来るそいつは
何故だか 私を襲わない
適当にダベっては 「また来るね」と 帰ってく
変な男(やつ)


今日もそれは窓から訪ねる
血を見るのが怖いヴァンパイア
リスカの跡 見せたなら泣きそうになる
反応が少し面白い

でも見慣れてきた瞳 哀(あい)が見え隠れ
空虚が温柔に胸を締めつける

いつまでも 度々 家に来るそいつは
何故だか 私に構ってく
「その内に厭きるだろ」 口にしたら 落ち込んだ
おかしいな

これ以上 懲り懲り 入って来ないでと
何故だか 私は怖くなる
取り出したカッターが 久しぶりと 気がついた
止まらない


霧がかった モヤモヤ 意識の外側で
何故だか あいつが泣いていた
ぼんやりと聞いてみた 「倒れないの?」 怒ってた
なんでだろ?

次の日 包帯の下 止まった血
初めて刃を奥まで しまった


ある夜 音もなく現れたヴァンパイア
今日も窓から訪れ笑った

いつも通り

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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リスカ少女と血迷いヴァンパイア

変な二人組みの話を書きたくなった。
物語を歌詞として表現するってなかなか難しい・・・
でもそういう制限があるものに挑戦するのってけっこう好きだったりします。

性格的にはリスカ少女がなんかズレてて、ヴァンパイアがヘタレ。
シリアスに見せ掛けたぶっ飛んだ話にする予定が、意外となんかいい話に落ち着いたようです。

閲覧数:219

投稿日:2010/08/10 23:33:21

文字数:555文字

カテゴリ:歌詞

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