--キリトリセン--

-邪魔で必要のない感情は切り取ってしまえばいい。
-たとえ、後悔するとしても-



*学校*
「おはよう。」

友達に声をかける。
特別に親しいわけじゃない。…いつものことだから。
「あっ、グミ。おはよ。」
…違和感を感じた。少し何か変わった。

「あれ?テトはどうしたの?」

「テト?あいつ、リンの彼氏とったんだよ。だから、テトのことは無視することにしたんだ。」

「そうなんだ。」
-テトとはあんまり話さなかった。だからどうでもいい。

--彼女は私の世界から切り取ろう--

《ガラッ》
「HR始めるぞ。」

担任がきた。
いつもの日常が始まる。
彼女が消えても何も変わらない。

つまらない授業。
私の視線は彼に向かう。
彼の一つ一つの動作に目を奪われる。
-私は多分…いや、確実に彼のことが好きなんだと思う。

「!」
彼と視線が合う。
彼は何でもないように目を反らした。
…少しは焦ったりしてもいいのに。


*放課後*
「グミってさ、ミクオのこと見てたよね。もしかして…好きなの?」

「!…違うから。」
本当のことを彼女達には教えたくない。

「え~!そうなの?」

「そうだよ。…それより、帰りどうする?」

「ん~、今日はバイトあるんだよね。」

良し!話を逸らすことに成功した。

「じゃあ、私今日帰るから。」

「そっか、じゃあまた明日ね。」


*帰り道*
家に帰ったら何をしよう?と考えていると、彼を見つけた。
声をかけてみようと思った。

「ミクオ君?」

振り向いた。
「えっと、グミさん?どうしたの?」

「家に帰る途中なんだけど、ミクオ君の家もこっちなの?」

「うん。」

…初めて知った。
チャンスかもしれない。

「あの、迷惑じゃなかったらでいいんだけど…一緒に帰ってもいい?」

「別に、良いよ。」

やった!

「……。」

「……。」

…気まずい。どうしよう。
「…綺麗だね。」

「えっ?」

「夕日だよ。オレンジで綺麗だよね。」

意識したことなかった。
夕日なんて当たり前のモノで変わらないと思っていた。
だけど、素直に綺麗だと感じた。

「うん。そうだね。」

-私は彼に告白しようと思った。

「ミクオ君。」

「何?」

「私…貴方のことが好き。いきなりだけど、ずっと思ってた。」

「!……ごめん、僕は…」
「いいよ、私は自分の気持ちを伝えたかっただけだから。」

-後悔はしていない。

「ごめん…。」

「ううん、良いよ。今日はありがとう。…じゃあ、また明日。」

悲しかった。
彼のことが頭から離れない。

彼を私の世界から切り取ろう。


…出来ない。
私はどうしようもなく彼のことが好きだ。
忘れるなんて出来ないよ…

簡単に切り取れたらどんなに楽だろう。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

キリトリセン

キリトリセンを自己解釈しました。

40mP様すみません。




※名前について指摘されましたので、変更しました。

閲覧数:495

投稿日:2011/04/09 00:16:34

文字数:1,180文字

カテゴリ:小説

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  • 禀菟

    禀菟

    ご意見・ご感想

    やっふぃ~

    その文才俺にくれ!!

    tkカタカナ好きだね~

    あ、あと名前は考えよーぜww
    雰囲気台無しだぞ~

    2011/04/03 19:14:49

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