ガラガラッ
前のドアが開いた。ミクは、とりあえず廊下側から3列目、窓側から4列目、前から3番目――つまり、教室のほぼど真ん中の席に座った。
「おはよーう。」
……ちょっと待って。
ミクは、教室に入ってきたその人物を見て、静止した。
その人は教卓の前に立って、出席簿を開く。
「えーっと、欠席は……いない。具合が悪そうなのは……いないな。」
出席簿にすらすらと書いていく。
「ちょい待て―――!!なんで、センセっ?!私のクラス……元クラスはどうしたの?」
ミクは思いっきり立ち上がって、慌てる。その先生は、ミクが元いたクラスの、担任の先生だった。
「知んないのぉ?センセ、兼任してるんだよぉ。」
黄色い髪の女の子が説明してくれた。
「んま、そういうことだ。」
先生はそう平然と言うと、出席簿を閉じた。
「……そうなんスか。」
ミクはあまり納得できないまま、座った。
だから、たまに遅れて来ていたんだ。
ミクが元のクラスにいたとき、この先生は時々遅れてくることがあった。それを、ミクが先生の性格上の問題だと思っていたが、そうではなかったらしい。
「はい、休みじかーん。」
そう言うと、先生はさっさと教室を出て行ってしまった。まだ終わりのチャイムは鳴ってないし、先生が教室に来てから2分も経っていない。先生の大雑把さはわかっていたつもりだが、さすがにこれは唖然とした。
ミクは、とりあえずこの教室で生き残って行く為に、片っ端から声をかけてみることにした。
まずは、反応を示してくれた(ほんの少しだけど)双子と思われる2人から話しかけてみることにした。今のところ、1番親しくなれそうな気がする。
「こんにちはっ。」
2人の机の前に来て、しゃがんでみる。
2人は一斉にミクを見た。その同時さに、ミクは準備していた言葉を見事に忘れた。
「え、えっと……。」
5秒くらい微妙な空気が流れると、2人は一斉に元の状態に戻った。
「えぇ!?えっと……わ、私、初音ミクっていうのーっ。2人は、なんていうのぉ?」
できるだけ、平然を装った。あくまで、平然と……の、つもり。
「鏡音リン。」
女の子は、「なんだこれは?」というような目線をミクに送りながら言う。
「鏡音レン。」
男の子は、面倒臭そうに適当に言う。
ミクは反応に困りながらも、会話を続けようとする。
「2人は、どっちが上なの?」
「俺。」「リン。」
2人は一斉に答える。ということは、どちらかが嘘をついていることになる。
しかし、違うようだった。
「あれ、レン、今度はリンがお姉さんじゃなかったけ?」
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