「戦士-The child who stands in the too beautiful world-」

ねぇ 歩いてゆけるかな
涙を忘れた君までの
細く長い道のり

ねぇ 歩いてゆけたかな
笑顔を失くした君との
深く暗い道のり


君は子犬を抱きかかえて
「僕がこの子を守るんだ」と言った
「この子を育み共に生きるのだ」と言った

もいだ翼で墜落する夢を
君はあの時捨てたのかい？


この両手はこんなにも
水を汲み上げては零してしまう
この掌はこんなにも
君を求めては諦めてしまう

それは夕立の季節
輝く瞳に刃を握り
君は世界と戦っていた



ねぇ 歩き始めたんだ
慣れる事のない君の不在
それでも続く道のり

もう 歩みを止めないよ
伝えられない君への
誓いを刻む道のり


君が乗ろうと誘いかけた
シートベルトの無いジェットコースター
裏切る背中を罵る言葉はなかった

折れた翼で二人落ちる夢を
君はあの時捨てたのかい？


この両足はこんなにも
草を踏みしめては枯らしてしまう
このつま先はこんなにも
君に向かっては慄いてしまう

それは朝焼けの季節
晒した髪に銃を握り
君は孤独と戦っていた



君は子犬を抱きかかえて
「僕がこの子を守るんだ」と言った
「一人で育みやがて放つのだ」と言った

もいだ翼で墜落する夢を
君はあの時捨てたのかい？
傷む翼を擦り合わす二人を
君はあの時捨てたのかい？


この両手はこんなにも
水を汲み上げては零してしまう
この掌はこんなにも
君を求めては諦めてしまう

それは南風原の季節
か細い腕に子犬を抱いた
君は世界と戦っていた
一人世界と戦っていた
君の世界と戦っていた

世界は余りにも美しい・・・





以下ひらがな表記


A
ねえあるいてゆけるかな(11)
なみだをわすれたきみまでの(13)
ほそくながいみちのり(10)

ねえあるいてゆけたかな(11)
えがおをなくしたきみとの(12)
ふかくくらいみちのり(10)

B
きみはこいぬをだきかかえて(13)
ぼくがこのこをまもるんだといった(16)
このこをはぐくみともにいきるのだといった(20)

もいだつばさでついらくするゆめを(16)
きみはあのときすてたのかい(13)

S
このりょうてはこんなにも(*11)
みずをくみあげてはこぼしてしまう(16)
このてのひらはこんなにも(12)
きみをもとめてはあきらめてしまう(16)

それはゆうだちのきせつ(11)
かがやくひとみにやいばをにぎり(*14)
きみはせかいとたたかっていた(14)


A
ねえあるきはじめたんだ(11)
なれることのないきみのふざい(*13)
それでもつづくみちのり(11)

もうあゆみをとめないよ(11)
つたえられないきみへの(*12)
ちかいをきざむみちのり(11)

B
きみがのろうとさそいかけた(13)
シートべるとのないじぇっとこーすたー(*16)
うらぎるせなかをののしることばはなかった(20)

おれたつばさでふたりおちるゆめを(16)
きみはあのときすてたのかい(13)

S
このりょうあしはこんなにも(12)
くさをふみしめてはからしてしまう(16)
このつまさきはこんなにも(12)
きみむかってはおののいてしまう(16)

それはあさやけのきせつ(11)
さらしたかみにじゅうをにぎり(*14)
きみはこどくとたたかっていた(14)


B
きみはこいぬをだきかかえて(13)
ぼくがこのこをまもるんだといった(16)
ひとりではぐくみやがてはなつのだといった(20)

もいだつばさでついらくするゆめを(16)
きみはあのときすてたのかい(13)

いたむつばさをすりあわすふたりを(16)
きみはあのときすてたのかい(13)

S
このりょうてはこんなにも(*12)
みずをくみあげてはこぼしてしまう(16)
このてのひらはこんなにも(12)
きみをもとめてはあきらめてしまう(16)

それははえばるのきせつ(11)
かぼそいうでにこいぬをだいた(14)
きみはせかいとたたかっていた(14)

ひとりせかいとたたかっていた(14)

きみのせかいとたたかっていた(14)

せかいはあまりにもうつくしい(14)