ナツノリミット



夏の街にあった　傷痕に溜まった
雨水を弾いた　君の制服が透過してゆく

意味もなく笑った　涼風に残った
言葉は飛んでった　白んでゆく頭の奥で

言いかけて　堰き止めて
夏の所為で　片して
捕まえて　逃げられて
蝉が時雨れた

晴れ晴れ　雲を縫って
紙飛行機が揺らいでいる
夏になれば　思い出すんだよ
晴れ晴れ　髪を結って
白いワンピース　輝いて

君が好きな夏を嫌いになれば

嫌いになるまで　リミット



机に飾ってた　海辺のツーショット
罅が空を割った　滲んでいく目蓋の裏で

問い掛けて　泣きたくて
夏の静で　浮かんで
打ち上げて　羽搏いて
青い花火だ

晴れ晴れ　ふと出会って
無口な君が声を上げた
夏になれば　思い出すんだよ
晴れ晴れ　雨が降って
大切な日は流れていく

君が好きな夏を嫌いになれば

嫌いになるまで　リピート


いつも夏の所為だ　
青いモノが鬱陶しくなる
雨と浴衣
早く終わってよ

晴れ晴れ　海が鳴って
防波堤で君が待っている

振り向き際の三文字が響いた

晴れ晴れ　雲を縫って
紙飛行機が揺らいでいる
夏になれば　思い出すんだよ
晴れ晴れ　髪を結って
白いワンピース　輝いて

君が嫌いな夏を好きになれば

夏が終わるなら　リセット