A1
四畳半で眠る僕の人生は
ただ昼夜を 理解する人生でした
六十四マスの盤面上で
遊ばれていた 脆い黒い人生でした

B1
他人(ひと)の真似事 外の物音
それそれは耳に巣を作り
辛い辛いと 零す本音は
知らん振りの風に流されました

S1
拝啓 モノクロ世界の住民
手を繋ぎ嗤ってた 存在は
拝啓 僕の中に住む感情
脳内に新しい 巣を作る

A2
四畳半で晒す 僕の醜態は
もう善悪を認知出来なくなりました
黒に塗り潰された 白い塊
原型すらもう忘れました

B2
古びた写真 失くした保身
脆い脆い「ごっこ」遊びでした
甘い甘いと 指さす影は
いつの間にか僕を囲んでました

S2
中略 モノクロ世界の住民
逃げ場すら得られない 四面楚歌
中略 僕の中に住む嫌悪
真っ暗の深海は 如何ですか

大S
敬具 白黒世界の空間
作られた終末の 数々を
敬具 僕の中に住む僕等は
この世界を生き抜くのは 無理でした

左様なら 黒一色の此の世界
叶わない願い事 握り締め
左様なら 最後の一マスを遺し
深い不快眠りへと 飛び立った

C1
赤く塗り潰された 特等席
次は君 次は君 白い君