屋上まで全速力で走りながら頭の中を整理する。
意外とこの感覚が好き。
まず、今日分かった事実は「レンがミクを振った」と言うこと。
そしてその理由は解らない。
昨日私たちは偶然とはいえキスしてしまった。
何故。
クオ君も何であんなに急ぐように言ってたのか。
疑問が多すぎるよ!!
階段を駆け上がる。
だけど今ここは1階。
学校は全部で5階。
そして休み時間はあと
30分。
私って体力無いんだよね・・・。自分でイヤになる。
遠い目になりながらも駆け上がる。
あと2階。
休み時間だから周りの声や物音は五月蝿い。なのに私の足音はそれの中でも五月蝿かった。全速力。
もしも姉弟じゃなかったらどうなるんだろう
もしも双子じゃなかったらどうだったんだろう
幼い頃から抱き続けた疑問。
屋上に、レンにたどり着いたら訊いてみよう。
ミクのことも含めて、全部。
そしてやっと屋上たどり着いた。
肩で息をしながらドアノブを握りしめる。
少し、手汗で滑った。
これを開ければ、レンが。
手で握っていたそれを回し、ガチャリ、と音を立てて押す。
屋上でまず目に入ったもの。
それは
目に眩しい夕日とこちらへと振り返る優しい顔をした私の愛しい人だった。
「レンっ!!」
急いでレンへと駆け寄った。
疲れていたのも忘れて。
「・・・リン。」
嬉しくてたまらない私の耳へいつもより真面目レンの声が響いた。
いつもとは違いすぎるレンの声。
「どうしたの?」
イヤな予感とは裏腹にドキドキと音を立てる心臓。
「オレ、実はさ、」
心臓の音がさっきよりも増した。
「リンのことが、」
あまりの展開に固唾を飲み込む。
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shikisai
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