辛子と積木

空も海も違わない答えならば青葉木菟(あおあずく)色
幼き日々の無邪気さを今正に恨みそうだ
後先も考えず、みだりに積み上げた斜塔

何にも無くなって気づくのだろう
崩れてしまいそうな歪になった姿
そいつを信じて積みあげただろう
今更何もやり直すことはできない
もうこれ以上積み続けるのが怖い
『有難迷惑 現世利益』

遠くに目す楼(たかどの)は如何にして威風に映える
知らぬ間に真下すら足置場に困り果てる
鍍金(めっき)まで剥がれて生きようとする不細工
明易(あけやす)の季節が終わるころには果て
捨てきれずにいる赤錆が犯す支柱
そんなに惨めにいられないだろう
誰かの陰影に飲み込まれてしまう

忠告なら守った言われた通りした
それが「間違い」だったとしたら
これから何を頼りに暮らせばいい

それでも僕は生き続けるでしょう
意味なく時間を浪費し続けて
雨漏れる罅(ひび)を伝う
答え合わせほら赤点  

何にも無くなって気づくのだろう
崩れてしまいそうな歪になった骸
そいつを疑って積みあげただろう
今更もう組み直すことはできない

己の限界にも気づくころでしょう
大したことない人生に引導を蹴を
「代わり」がいるなら代わりたい
甲斐なく、日輪(ひかり)を強請る雨宝童子(うほうどうじ)
もうこれ以上進み続けるのが怖い
『雲翻雨覆(うんぽんうふく) 五月雨囃 無縁仏者 涅槃冥利』

僕も貴方も違わない答えならば最期の一歩…

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【歌詞】辛子と積木/初音ミク

アルバム『蛙の子は蛙』収録曲

閲覧数:1,377

投稿日:2020/06/11 21:58:54

文字数:619文字

カテゴリ:歌詞

オススメ作品

クリップボードにコピーしました