初恋メロディー 未来音符 そのよん
「え?いや?ちょ、ちょっと待っ
バタンっ!!
海斗先輩が何か言い終わる前に家に入り、ガチャッ!!
と鍵をかけた
信じられないっ!!
よりによって相手の家の前で言う!?
ムードとか以前の話だ!!
玄関で靴を脱ぎ、私がドスドスと台所に行って午後ティーのストレートを飲んでると、
リビングにいたお母さんが台所に来て、のほほ~んとした声で
「ミク~おかえりなさ~い」
私は怒りが収まってなかったせいで、お母さんに
「ただいまっ!!」
といつもより強めに言ってしまった
「ひっ!そ、そんなに強く言わないでよ~
お、お母さんビックリして、し、死んじゃうわ~」
泣きかけながらそう言うお母さんを見て
「はいゴメン、ただいま…」
「うぅ~今度は冷たいぃ…何で?お母さんなんかしちゃった?」
子供みたいなこと言わないでよ…
「何もしてないよ。分かった分かった、ただいま帰りました」
と言うと今度は
「えぇ~、可愛くないぃ~~
もっとこう、ただいま~って抱きついてきてほしいのにぃ~~」
変な要求をされたが
16だよ私?
「私の年齢を考えてよ…」
「でもでも、隣のカナちゃんそうらしいわよ?
だからウチもそれでいきましょ?ね?ミクお願いっ」
手を合わせ私にお願いっ、と言ってくる
なんのおねだりなのよ…
「ヨソはヨソっ!ウチはウチです!!
私、部屋にいるからねっ。」
そう言って2階の自分の部屋に向かって行った
「うぅ…ミクが反抗期になっちゃった……」
しょんぼりとお母さんが言う
なってませんて…
かなり仲いい方だよ?私達…
自分の部屋に入りベッドに落ちる
ぼふっ!
あぁぁぁぁぁぁ~~
布団に顔を埋め、さっきの海斗先輩の言葉を思い出す
―俺と付き合ってくんない?―
信じられないっ!!玄関で言う!?
しかもそれを言うために声をかけたってことは、サッカー部のマネージャー
の話もそういう事かっ!!
いつからだ?いつから私に気があったんだ?
流香先輩から私の話を聞いていたって言っていたな…
とゆうことは去年からとゆうことになるな…
流香先輩はどこまで私のことを話してるのかな?
とゆーかアイツが私に気があるって知ってるのかな?
うぅ~詳しく聞きたいし、相談したいけど…
壁に掛かっている時計は7時ちょっと前
この時間メールしても大丈夫かな?先輩忙しいだろうし…
でも流香先輩は何か知っているはずだし、何かあった時のために…
ポケットから携帯を出し
『先輩久しぶりです。ミクです
突然なんですけど、海斗先輩のこと知っていますよね?
今日帰るときに海斗先輩に声をかけられました。
流香先輩から私のことを色々聞いて知ってると言われました。
流香先輩は私のことをどこまで話してるんですか?
海斗先輩は何なんですか?』
と、メールした
すぐに返事は来ないと分かっていたので着替えると
「ミク~~ごは~~ん、」
と1階からお母さんに呼ばれて1階に行った
そしてリビングで
「いただきます」
と言って食べようとすると、向かいに座るお母さんが
「もっと笑顔で言ってよ~~せっかくミクの好物作ったのに~~」
と駄々をこね始めた
「はいはい、分かりました~言うから足をバタバタしないで…」
「は~~や~~く~~~」
「テーブルを叩くのもやめて、今言うから…」
子供かっつーの?ホントにお母さんは…
内心呆れつつ
「わぁいっ、いただきま~す」
といい笑顔で言うと
「はぁい、召し上がれ~~」
さらにいい笑顔で返された
はぁ…
お父さん早く出張から帰ってきて…
お母さんと2人で夕食を食べ始めた
「それで?ミクは何を悩んでいるの~~?」
「え?」
唐突にお母さんが聞いてきた
え?悩み?
「悩みって…特に無いよ?お母さん、ずいぶん唐突だね?」
「ん~~?悩んでるよ~~?」
私が無いって言ってるのに…
「なんでそう言えるの?」
「え~~?だっていつもより顔が3割ブサイクなんだもん。」
ぶっ!!
ご飯を吹いてしまった
「あぁ~~汚い~~、何やってんの~~ミク~~?」
「お、お母さんが変なこと、い、言うからでしょっ?」
布巾でテーブルを拭きながらお母さんに言う
テーブルを拭き終わり
「元々こーゆー顔ですっ!それに3割だけブサイクになれないでしょっ?」
「違うよ~~、元々はもっと可愛いよ~~、でも今日はブス」
酷ぇ…娘にブスって言う?
「ブスって…母親に言われると結構傷つくもんなんだね…」
「ミクって悩んでる時はいっつもブスになってるんだよ~~、
気付いてなかったの~~?」
「いや、普通分かんないよ…」
自分の顔を見てブスと落ち込んだことは無いよ…
「…まぁでも…お母さんの言うとおり…本当は悩んでるのか…な?」
海斗先輩のこととかなっ!
海斗先輩との今日の出来事や、さっきの告白を思い出していると
じ~~
お母さんが何も言わず私の顔をじ~っと見るので
「な、何よ?じ~っと見て…」
「ふ~~ん、なるほどなるほど~~」
うんうんと、1人で納得をしてしまったお母さんに
「何よ?なるほどって?何が分かったの?」
お母さんは笑顔で
「その人のことを嫌わなくても大丈夫だよ~~、悪い人じゃないって
ミクも分かってるんでしょ?
ちょっと疑ってる程度でしょ?なら平気平気~~」
!!!!!
「な、な、なんで?え?は?何言ってるのお母さん?はい?」
私はお母さんの発言にかなり驚いた
「ん~~?アドバイス?だよ。」
な、な、な、何で何にも言ってないのにアドバイスが出てくんのっ!?
的確すぎるだろっ!?
ピンポイント過ぎないっ!?
「だ、だって私、何にも言って無いじゃんっ!?
どんな悩みも言ってないしっ、ひ、人が関係してるとも言ってないじゃん?
えっ?はっ?なんで分かったのっ?えぇ~~?」
私がかなりうろたえていると、
「だってお母さんだもん~~」
全ての理由がその言葉に集約していた
ご飯を食べ終わり、超絶なお母さん力を見せ付けられ
色々な疑問を浮かべながら部屋に戻るとベッドの上の携帯が点滅していた
流香先輩かなっ!?
携帯を開くと
『久しぶりね。ミク
そう、海斗君に話しかけられたのね。どうだった?
私が海斗君に話したのはミクの可愛いトコや、ミクが
とっってもいい子だってことだけだから安心して。
たこ焼きが好きとも話したわ。
海斗君は悪い子じゃないから大丈夫よ。』
流香先輩……いい子って恥ずいですよ~
私は早速返事を送る
『お久しぶりです流香先輩
どうして私のことを海斗先輩に話したんですか?
海斗先輩が言うには会う度に私のこと話してたって言ってました。
でも流香先輩が私に海斗先輩のことを話してくれたことは、
一度もありませんよね?何でなんですか?』
すると
プルル~と携帯が鳴った
わっ!流香先輩からだっ!
ピ、
「もしもし流香先輩?私です。ミクです!!」
『もしもし、ミク?久しぶりね~』
おっとりとした声の流香先輩
やっぱりすっっっっごく大人っぽくて素敵っ!!
「あのぉ、それでメールで書いたことなんですけど~」
『うん、今日はどうゆう経緯で話しかけられたの?
それによっては教えられることと教えられないことがあるから…』
「はい?まぁじゃあ話しますけど~」
今日の出来事を全部話した
「……それで…つき合って。って言われました…」
『そう! 付き合って。って言ったのね?
そっかそっか……海斗君もやるな~』
私の言葉に少し驚く流香先輩
「それで…そのぉ、教えてくださいよ~海斗先輩は何なんですか?
なんで私の事を色々と話したんですか?」
『そうね。少しは教えなくちゃね…
海斗君は簡単に言っちゃうと、去年の4月にミクに一目惚れしたの』
「はいぃぃ?そんな前に?
え?でも何で流香先輩が知ってるんですか?聞いたんですか?」
一年前に私に一目惚れ?マジっすか?
『ん~ん聞いてない。去年の部活説明会で私が海斗君と話して時に、
私がミクを見つけて、それで海斗君もミクを見て、
その時の海斗君の顔ですぐに気付いたの。
あっ、一目惚れしてる~って。それからなの、
それからミクのことばっか私は話すようにしたってこと。』
「そ、そうなんですか…つまり海斗先輩のためにってことですか…」
少し、いやかなりショック…
流香先輩があんな人のために…
『でももう1つ理由があって、それはミクのためなの。』
「はい?私のため?どうゆうことですか?」
あんな人に私のことを話す理由が分からない…
『うん。私達がいなくなって合唱部はもう終わってるでしょ?
これからミクがどんなに頑張っても合唱部は復活しない。
色んな噂もあるしね。それを私は分かってたから海斗君にだけは
みんなの本音や私の考えを言って、
それをミクに伝えてもらおうと思ったの。
合唱部をなくしてもいいって思ってる。って』
「え?はい?何で海斗先輩を経由するんですか?
私が1年の時に直接言えばいいじゃないですか?」
私の疑問に流香先輩は少し言いにくそうに
『だって言っちゃうとミクは合唱部やめちゃうでしょ?
ミク以外の1年はみんな辞めちゃって、ミクも辞めたら…
そうするとみんな寂しいし、私もすごく寂しいから言えなかったの…
これは私達のワガママなの。ごめんなさい…
でも私達がいなくなった後だったらいいと、みんなも思ってたから…
それに…直接はやっぱり言いづらいもん…
辞めてもいいよ。なんて言えないよ…』
流香先輩の少し寂しげな声は初めて聞いた…
先輩…
胸がぎゅう、と締め付けられる
『それで、みんながミクに「合唱部を潰すなよ」って言ったから、
ミクは今でも1人で合唱部やってるんでしょ?
このままじゃずーっとミクは1人で合唱部を続けることになっちゃう…
それはあまりにも辛いでしょ?
だからみんなの本音を知ってもらって…辞めさせようと思ったの…』
辞めさせようと思ったの、
その言葉が少し泣いて言ってる様に聞こえた
流香先輩が泣いてそうな声で話すせいか、それとも流香先輩の本当の想いを
聞いたせいか、私まで少し泣きかけてきた。
『だから、全部を知ったから言うけど、
合唱部のことはもういいよ。ありがとね。
他に行きたい部活とかあるんじゃない?いいよ。行って』
流香先輩の少し涙ぐんだ優しい声に私は…
「あ、あの…」
言うのを少し躊躇いながら…
「わ、私…」
言ったらいけないとゆう思いと…どうしても言わなきゃとゆう思いに揺れながら…
「わ、私は…っ…ぅ…」
何故か瞳からポロポロと涙がこぼれ落ちながら…
『うん…言っていいよ…』
「え、演劇部に、い、い、行きたいですぅ…
も、も、もう合唱部は、ひ、1人で寂しいのは、嫌ぁ…嫌だよぉ…
誰もいない…お、音楽室で、う、歌いたくないよぉ…
だ、だから…が、が、が…合唱部を、や、辞めて、いいですか……」
泣きながら全部を言った
『うん。いいよ。 演劇部に行っていいよ。
ゴメンね。その寂しさは私達が持つべきだったね…
ゴメンね、ミク。持たせちゃって、ごめんなさい。
や、辞めていいよ、ごめんね…今までありがとね。』
流香先輩も電話の向こうで泣いていた
『みんなには、わ、私から言っとくよ。
みんなも怒らないから、大丈夫。ホントに…ごめんね…
今までありがとね…』
静かな夜に涙が落ちた。
初恋メロディー 未来音符その4
初恋メロディー未来音符のその4です。
よく考えたらルカのほうが海斗より年下だった…
まぁ設定を変えても、ね?いいよね?
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