しばらくして、場の空気が落ち着いたところで。
「じゃあ、恒例の自己紹介ターイムー♪」
「うわ~い♪」
いつの間にか仕切り始める、フワとムウ。
「・・・おい、何でバンじゃねーんだよ」
アカイトは少し不機嫌そうに呟く。
「いいじゃないか、アカイト。たまには、この2人が仕切っても、おもしろいじゃないか?」
そんなアカイトに、バンは苦笑しながら言い聞かせる。
「別に、バンがいいんならいいけど」
少し顔を赤らめて言うアカイト。そのやり取りを見たナエルがすかさず、
「これって、かなり年季の入った恋よね!」
と、感想を述べる。
「ねー、2人なんか困っちゃってるよー、うー」
ウサの言葉に、
「「「あ、ごめん」」」
さっきまで喋っていたアカイトとバンとナエルは、思いっきり同じ言葉で新しく来た新参者2人に謝る。
「いえ、別にいいですよ」
「わんわんおー」
ウサ曰くにゃーさんと呼ばれる男の子が言ったあと、これまたウサ曰くミナにゃーと呼ばれる女の子が鳴いた。
「わおん?新たに仲間発見だわん!」
ワンが嬉しそうにミナにゃーに駆け寄る。
「お名前なんて言うんだわん?」
「鈴音ミナって言います。でもミナにゃーって呼んでほしいです」
そう言って、にっこり笑顔になるミナもといミナにゃー。
「そうかわん。私は吠音ワンって言うんだわん!」
「へー、ワンちゃんですかー」
「・・・っていうか、おいミナ」
「・・・何、にゃーさん」
「おま、いきなり鳴いちゃだめって何度言ったら分かるんだよ」
「・・・・だって」
男の子に言われて、気まずく目を逸らすミナにゃー。
「ま、幸いここの人達は優しそうだからいいんだけどな」
「・・・にゃーさん」
男の子もといにゃーさんの優しい言葉に、ミナにゃーは思わずにゃーさんを見る。
「いつもは冷たいのに」
「えっ、ちょ、普段どんな関係なんだよ」
ミナにゃーの一言に、おせっかいグルトは呟く。
「それは・・・」
にゃーさんは、しばらく考えてから、
「犬みたいなミナを現在躾している仲です」
ミナにゃーとは意味合いの違うにっこり笑顔で返事する。
「・・・そうか」
グルトは何も言えなくなって、ただ頷くしか無かった。
「にゃーさん、何話してたの?」
小声だったせいか、どうやらミナにゃーには聞こえてないらしい。にゃーさんは言った。
「ただの世間話だよ」
「あ、そうなんだ。にゃーさんってば、社交的」
にゃーさんの言葉を、ただただ素直に受け止めるミナにゃー。
「・・・・・なんか、知ってはいけないこと知っちゃった俺って、何かした方がいいのか・・・?」
事情を知ってしまったグルトは、ぐったりとした様子で呻く。
「さあな」
アカイトは素っ気無く言って、
「そうですね・・・ミナにゃーさんが嫌がってたら、助けてあげるのもいいんですけど、本人嫌がってないみたいですし、いいんじゃないんですか、今のままで」
ミドリの言葉に、
「おま・・・さりげなく酷いよな」
グルトはため息をつく。
「ちなみに、本名はなんて言うんですか?」
「あ、それ私も思いました。まさか本当ににゃーさんって言うんじゃないでしょうね」
ジミとモコも言葉に、
「そうですね。俺は、鈴音ベルなんです本名」
ベルもといにゃーさんは涼しい笑顔で言う。
「へー。苗字が、ミナにゃーさんと一緒ですねふわああああ」
傍観者組のマツキが欠伸をしながら、ぽつんと呟いた。
「あっ、ほんとです!もしかして、兄妹ってバレるのが嫌だからなんですか!?」
自称正義の味方のマニが、マツキの言葉を聞いて、にゃーさんに詰め寄る。
「違うよ、可愛いゴスロリ少女さん。俺とミナは兄妹ともつかない、曖昧な関係なんです」
「・・・曖昧な関係?」
にゃーさんの爽やか笑顔を見ても、マニの目線は鋭いままだ。
「それって、どういうことですか」
「だから、さっきも言ったように・・・って、さっきの会話覚えてる?」
「はい。確かに、聞きました。この耳で、ちゃーんと」
マニは目線をさらに鋭くさせて言う。
「何やら、躾がそうのこうの言ってましたね・・・。それって、本気で言ってるんですか?」
「え、本気も何も、俺はただ事実を言っただけだから」
どこ吹く風で言うにゃーさん。
「・・・にゃーさんって、最悪ですね。女の子との関係を、そんな風に言うなんて」
「だって、ほんとのことだからな。・・・あ、本人に聞いてみるか?」
「・・・・・いいですよ」
マニが頷いたのを確認したにゃーさんは、ミナにゃーに話しかける。
「なあ、ミナにゃー」
「何?にゃーさん」
「俺は、お前を躾しているんだよな?」
「なっ・・・!こいつ、ほんとに言った・・・!」
しばらくやり取りを見守っていたグルトは、驚いて思わず言った。
「・・・あ」
ミナにゃーは、にゃーさんが言っている言葉が分かったのか少し頬を赤く染めて、
「・・・・・そうだね」
と、頷いた。
「・・・え」
ミナにゃーの完全なる予想外な反応に、マニは言葉を失う。
「ほら、これでほんとに分かりましたよね?ミナにゃーは俺に懐いてるって」
勝ち誇るように、にゃーさんは言う。
「・・・・・」
マニは何も言い返せなくて、ただただ黙っているばかり。
そんなマニの隣に立つのは、
「今までの会話、ぜーんぶ聞かせてもらったんですけど、すこーし聞き捨てなりませんねー」
ピノだった。
「・・・ピノさん」
驚いたように、ピノを見るマニ。
「この間、助けてもらいましたから、そのお返しをしたくて」
少し照れたのか、顔を赤くしてピノは言う。
「・・・ありがとうございます」
そんなピノに、自然と顔がほころぶマニ。
「え?ピノって、アイス?」
にゃーさんは訳が分からず、首を傾げる。
「反撃とばかりに質問するんですけど、いいですか?いいですよね」
ピノが隣にいるからか、元の態度で再びにゃーさんに詰め寄るマニ。
「ああ、いいですよ」
「躾っていいましたけど、具体的に何してるんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
マニの質問に、黙りこくるにゃーさん。
「あれれ?答えられないんですか?にゃーさん」
すかさず追い詰めるマニ。
「いっいや、答えられないって訳じゃないんだけど、うーん」
「なんか、怪しいですね」
にゃーさんの様子を見て、絶賛モノクロ中のシキが楽しそうに言った。
「何でそんなに楽しそうなんだよ、シキ」
グルトがたずねると、
「最近、ドラマにはまったみたいで、よくドラマの台詞とかを真似してるんです」
と、ミドリがシキの代わりに答えたのだった。
「・・・楽しい」
「え?レトさんもよくドラマとかの真似するんですか?」
「・・・よくする」
ミドリの言葉を肯定するレト。
「ああ、レトくんですよね?・・・もう、今きたの?遅かったじゃない、何してたの?レトくん」
レトの声を聞きつけて、駆け寄って来るジミ。
「・・・雨宿りしてた」
「可愛い言い訳ですね」
何やら言い訳めいた言葉を呟くレトに、ジミは優しく言った。
「・・・・・・可愛いって、得だよな」
「そうですね」
そんなレトとジミのやり取りを見ていた、グルトとミドリは羨ましそうに顔を見合わせた。
「それで、答えて下さい」
まだまだにゃーさんを解放する気は無いらしいマニは言った。
「分かったよ、言えばいいんでしょう?言えば」
根負けしたらしいにゃーさんは、ため息を大きくついてから、
「・・・調教したり、あとは色んな声をやらせたり、・・・それだけかな」
「どんな声をやらせてるんですか?」
「アニメ声とか、高い声とか、あとは発声練習とか」
「・・・・なんか、普通ですね」
にゃーさんの言葉に、面白く無さそうにマニは呟く。
「犬みたいなミナを現在躾している仲です、って言ってたから、てっきり文字通りのことしてるのかと思いましたけど、・・・そういうことなら、大丈夫そうですね」
「・・・なんか、爆弾発言のもとが入ってないか?」
アカイトはマニの言葉に対して苦笑いで呟いたのだった。
一応、続く!
【亜種コラボ小説】 ミナにゃーとにゃーさんと躾する仲と自称正義の味方といつものみんなで雨に負けない騒動を 【後編】
こんにちは、早く晴れて青空を眺めたいもごもご犬ですこんばんは!
もう梅雨とか雨は勘弁してほしいですねー><
さて今回は、前回の後編ということで、今度こそ、今度こそ、ミナちゃん(通称ミナにゃー)と、ベルくん(通称にゃーさん)の2人に出演してもらいました!2人のマスターさん、ありがとうございました!これからも、よろしくお願いします!^^
それで話は変わりますが、夏休みになったら、前編・中編・後編の3つに分けて、亜種コラボ小説初の長い長い話を書きたいと思います!!←←←
今のところ、まだどんな話にするかは決めていないんですが、今までに出演してもらった亜種たちはもちろん、滅多に出て来ないキャラも出そうかと思っています!
・・・まぁ、夏休みになるまでまだまだあるのでアイデアを纏めつつ、夏休みになるまでは、また普通通りに作品を投稿するので、気にせずに今まで通りお付き合い頂ければなと思います!
次回も、新しい亜種たちが登場する予定です!お楽しみに!><
コメント1
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ご意見・ご感想
御子神条ミナノ
ご意見・ご感想
報告ありがとうございました!
早速飛んで行きました^p^
いやぁ、本当に小説にあの二人が出てくるなんてとにやけました^^←
ベルの冷たさが嫌味で凄くいいですw
自分で考えた筈なのに惚れそうです((
ミナの初っ端わんわわおーも良かったです
他のキャラクターとの絡みも軽快で話的には途中のものなのですが読んでいて飽きずに楽しめました*^^*
今後も鈴組がやらかしてくれる事や、小説を期待しています!
ではでは、乱文失礼いたしました。
2010/07/05 13:26:07
もごもご犬
>御子神条ミナノさん
こんばんは!
ちょ、にやけたんですかwwwww
ベルがどS過ぎて、これでいいのかと思いましたがそう言って下さると、今後はもっとどSにしようかと思いましたww←
惚れそうですかwwww
確かに読み返してみると納得してしまう自分って一体・・・←←
飽きずに楽しんでくれたみたいで、良かったです♪
鈴組wwなんとなく語呂がいいですねwwwww
今後もミナにゃーとにゃーさんは出演するので、よろしくお願いします!><
2010/07/05 21:43:17