――魔法みたいな光景が当たり前になっていく。




≪ワールド・コーリング【自己解釈】≫




 僕は単純なんだ。
 だから君に何かしたくて、正直大袈裟に興味をひきたいところだった。
 さて、どうしようか?
 いろいろ本を読んだり、洗濯機で回転してみたり。
 だけど……難しいんだよなあ。
 僕が吐き出した言葉が宙を舞って……放物線を描く。

「綺麗だな」

 空は水色だった。正直こんな鮮やかな色だったっけかな。思い出せないや。そしてすっごい白々しい。
 深呼吸ひとつして、声にもならない声を呟く。
 その声は誰かに届きそうで、もうちょっとでつながりそう。
 だけどまだ足りない気がするよ。

「ハロー、未来はどんな色?」
『ハロー、綺麗な愛の色だよ』

 つながっていく。少しづつ、少しづつ。
 近所のタバコ屋の田中さんや、コンビニを経営している沼口さんだって。
 さあ、僕に聞かせてよ。
 不器用になった言葉も、負けそうになった感情も。

「ハローハロー、こっち向いて」
「ハローハロー、さあ会いに行こう」

 これは魔法だって?
 違うよ。
 魔法みたいな光景が、こんな感じに当たり前になっていくんだ。







 君は真剣そうに呟いた。

『君の感想を聞きたいな』

 僕はとても単純だから、

「隠せない」

 町風が歩く僕を吹き付けていく。今日も僕の街を色めいていくんだ。
 夕暮れが輝いていく空を公園で独りぼーっと過ごしていたら、もう十五分くらい過ぎていたんだなって、こういうことよくあるんだよね。

「どうしたの?」

 君の寂しそうな声、ほっとけないんだ。
 もうちょっとだけ話してよ。

「ハロー、世界はどんな色?」
『ハロー、綺麗な今日の色だよ』

 もっときかせておくれよ。
 恥ずかしそうな言葉も、泣きそうになった情景も。

「ハローハロー、こっち向いて」
「ハローハロー、さあ会いに行こう」

 僕と君だけじゃない。
 みんなが、世界のみんなが簡単につながっていくんだ。
 何度だって。何度だって。

 ぴんぽーん。

「はーい」
「し、失礼しまーす……ってうわぁ!」
「ん? どうしたの?」
「……いやぁ、直接で会ったことなんてないじゃん……」

 まあそうだけど。
 いつも話していたことには変わりないよ。
 さあ、今日も“つながろう”よ。
 僕と君だけじゃない。
 皆が、世界とつながる。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ワールド・コーリング【自己解釈】

いあちゃんかわいい。

原作:http://www.nicovideo.jp/watch/sm19262932

閲覧数:1,137

投稿日:2012/11/02 22:22:03

文字数:1,023文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • 雪りんご*イン率低下

    雪りんご*イン率低下

    ご意見・ご感想

    あぁ……ル●ンに夢中になってたら見逃してました……orz
    さっき聴きにいきました! さすがじんさん、すごい……!
    それにauroraさんの小説もすごいです!

    ブクマいただきます

    2012/11/02 23:21:11

    • aurora

      aurora

      ブクマありです。
      僕は再生10で聞いて歌詞書き出して頑張ってかきましたw
      ありがとうございます!

      2012/11/04 00:07:18

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