「ねぇねぇ」
友人のさなから突然のLINE。
通知バーの続きを待つと、また音が鳴る。
「大森美麗ちゃんっていたじゃん?」
懐かしいその名前。普段出るはずのない名前に
少し心が波打つ。
しばらく待っても続きが送られてこないので、
メッセージを開いて、相槌をうつ。
「しおりから聞いたんだけど」
「おととい亡くなったんだって」


嫌われる人とそうじゃない人。
殆どが後者だが、少なくとも30人に1人は嫌われているんじゃないかと思う。
嫌われる理由は様々で、
偉そうだったり、うるさかったり、怖かったり…多くの人が感じた不快感がまとまって嫌われているというレッテルを貼られる。
そして、1番タチが悪いのは何もしてなくても
嫌われてしまう事があるということ。
人は自分よりも劣っている人を道具として扱い、優越感に浸り、欲望にのまれ、その道具が目も当てられない程ボロボロになっても気付かず、無くなった時に初めて自分の愚かさを知るのである。


「え?なんで。」
「それがさ自殺かもしれないって。分かんないけど」
「なんか怖いね」
「だね…何があったんだろうね」
「それは本人にしか分からない」
さなからの泣いてるクマのスタンプで会話は終わった。
胸が苦しくなった、涙がボロボロと流れた。
ごめんなさいごめんなさい…と何回も見えない何かに謝った。
麗の自殺は私のせいかもしれない。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

懺悔

閲覧数:23

投稿日:2024/06/24 00:28:38

文字数:585文字

カテゴリ:小説

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