何も見えない聴こえない
動くことさえ得られずに
意識の中で浮かんでいた
僕に命を授けて下さい
僕に命をお恵み下さい
闇の中に小さくだが確かな鼓動が生まれた
僕に躰をお与え下さい
僕に躰をお恵み下さい
空間と区別するための境界が張られた
僕に音をお聴かせ下さい
僕に音をお恵み下さい
領域で巡りゆく波形ができた
僕に光を照らして下さい
僕に光をお恵み下さい
洞窟の比喩で全てが白く燃え僕の躰が影になる
僕に愛をお注ぎ下さい
僕に愛をお恵み下さい
感動をおぼえ表情の全て組み合わさる
僕に自由をお示し下さい
僕に自由をお恵み下さい
全ての糸が結び導かれ混ざり合い溶け込んでゆく
僕に未来をお導き下さい───そして・・・
僕は何もない空間にいた 存在する?与えられた
自由は細胞以外『無』であった。僕は創造された。
選ばれた訳じゃない。星が誕生するガスの集まり
のように永遠でない時間の中で0の中で1が存在
した偶然の運びである。今、僕は思考している。
そこで今、僕は何を答えればいい?この空間で僕
は神というものになれる。そう、世界というもの
を創造することができる。本当にそうなのか?僕
はこの空間にいたくない。存在したくないのでは
なく、移動したいのである。ここには方向を示し
合わすものもなければ方向自体も存在してない。
ああ、僕を無に終わらせないでくれ。そうしてる
間に一つ、境界の扉が現れた。空間から抜け出る
為のものか・・・手をそっと近づけると扉の方が
勝手に開いて、そして僕を飲み込んだ。私は暗い
空間をただ延々と下降していた。別の力が働いて
いる・・・別の私に逢える?そう、そうなのか?
私は期待という色彩に全て染め上げられていた。
その絶頂で、空間の壁が私に圧力をかけてゆく。
一色に染まっていた体に長方立方体が突き抜け始
める。溶解し始める。どんどん影は崩れてゆき、
機能は停止に追い込まれてゆく。壁を突き抜けた
とき、私は一つの光信号であった。表面が見え、
色彩が薄くなってゆく。吸い込まれてゆきそうだ。
映像は無の空間に送り届けられる。世界、ここに
何が存在し得る?この大きな惑星に取り込まれる
ことができるのか?衝突の瞬間、ものすごい圧力
が辺りを襲いかかり、熱風でとろけて黄色の炎を
吐き出した。そして全ては無に帰した・・・・。
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