「転校生を紹介する。入ってきなさい」
《ガラガラッ》
入って来た転校生にあたしは目を見張った。
「今日から同じクラスになる鏡音レン君だ。仲良くするように」
「鏡音」って名字一緒だし、しかも金髪とかいろいろ被りすぎでしょ。
「んじゃ、軽く自己紹介してもらおっかな」
「鏡音レンです。得意科目は音楽と体育。よろしく」
得意科目まで被っていやがる。しかも鏡音レンとか言うヤツ、さっきから無表情だ。
このクラスでやってく気あんのか?最悪の第一印象だぞ。
「席は~鏡音…あ~お前じゃないぞ。あそこの金髪な。リンの隣だ」
「はい」
うげ、マジか。しかも、何だよ「あそこの金髪」って。なにげ酷いぞ。
え、何であたしの隣かって?んじゃ説明するね。
あたしのクラスは女子が男子より1人多い。だから窓際の一番後ろ、つまりあたしの隣は空いている。
…今更聞いてないとか無しね。
そんなあたしの心境はお構いなしに鏡音レンはあたしの隣に座った。
そして第一声。
「お前、鏡音リンっていうのか?」
「え、ぁ。うん」
「………俺の名字と金髪、パクルんじゃねぇよ」
「はっっはいいいいいぃぃぃぃいい?!?!」
なっ何なの?!この態度のわるさ!?!信じらんないんですけど!!
「鏡音‥リン!静かにしろ!(面倒くさいなこれ)」
「んなっ?!……は、はい…」
「うるせえヤツ…」
むぅっっかあああああああああああああああああああああ!!!!!
もおマジ信じらんない!!こんのおぉぉぉおぉおぉぉぉぉぉぉ!!!
「あんたこそ、あたしの得意科目パクッてんじゃないわよ!!(小声)」
「んなの知らねぇし。被っちゃ悪ぃのかよ」
「っっ!!それを言ったら名字と髪の事だってっ!」
「鏡音リン!!!静かにしないか!!」
「うっ……っ…はぃ……」
もう嫌!!何でこんなヤツと隣の席なのよっ!?!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ちゃん…リンちゃん、リンちゃんってば!!」
「のわぁっ!!」
びっくりして顔をあげると、頬をぷくぅ、と膨らませているミクちゃんがいた。
うん。この子はどんな顔をしても様になる。
「どうしたの?」
「どうしたの?じゃないでしょ。さっきからいくら呼んでも反応してくれないんだもの」
どうやらずっとあたしを呼んでいたらしい。
悪いことをしてしまった。
「ごめん!ぼーっとしてて…何かな?」
「災難だったね、さっき。聞いてたよ」
「そーそー!理不尽だよねぇっ!?何なの!?何様!?!」
しかも、さっきまでの無愛想は何処へやら。男子に囲まれて談笑中だ。
数人女子も混じっている。モテルんだろうか?
まぁ、だからといってあたしに興味は無いけどね。
「私、そんなに悪い子には見えなかったんだけど…」
「え~嫌なヤツだよ~。聞いてたんでしょ?さっきのやり取りぃ~」
「うん。聞いてたよ~。だけど何か…隠してるような……」
「え~?あたし、そうは見えないよ?考えすぎじゃない?」
「そうかな?…そうか…な?……気のせい…かな………?」
「うんっうんっ!気にしすぎだって!!ほぉら、笑って笑っt「おい、お前等」なによ?!」
「俺、分からないことはお前等に聞けって言われたんだけど」
「(はあ?何であたし達なのよ?!)で何?用件は??」
「まぁまぁ。リンちゃん。で、なぁにレン君?」
「音楽室って何処?」
「「…え?……ぁ……」」
時計を見れば授業の始まる1分前。しかも、移動教室のある音楽。
…ヤバイ……。
「あああぁぁぁーーーーーーっっ!!!」
「リンちゃんっ!急がなきゃ!!」
「うんっ!ちょっとアンタ!何でもっと早く言わないのよ?!」
「アンタじゃねぇ!レンだっ!!つか、責任転嫁すんな!ペチャクチャ話してたのはお前等だろっ!!」
「こっちだってお前等じゃないっての!リンとミク!!覚えろ!」
「2人ともぉ~は~や~く~!遅刻しちゃうよ~(泣」
あたし達は、最早誰もいなくなった廊下を全力疾走で駆け出した。
コメント0
関連動画0
オススメ作品
小説版 South North Story
プロローグ
それは、表現しがたい感覚だった。
あの時、重く、そして深海よりも凍りついた金属が首筋に触れた記憶を最後に、僕はその記憶を失った。だが、暫くの後に、天空から魂の片割れの姿を見つめている自身の姿に気が付いたのである。彼女は信頼すべき魔術師と共に...小説版 South North Story ①
レイジ
憧れだけで 形から入って
上手くゆかなくて 不貞寝して
それでも嫌いに なんてなれなくて
気がつけば ここまで来てた
毎日右往左往
無計画にドタバタ
無茶振りだらけの マイマスター
それでもひとつだけ 確からしいこと
私たち 僕たちを
かなり好きらしいってこと...しょうがないなぁ
miman
(Aメロ)
また今日も 気持ちウラハラ
帰りに 反省
その顔 前にしたなら
気持ちの逆 くちにしてる
なぜだろう? きみといるとね
素直に なれない
ホントは こんなんじゃない
ありのまんま 見せたいのに
(Bメロ)...「ありのまんまで恋したいッ」
裏方くろ子
*3/27 名古屋ボカストにて頒布する小説合同誌のサンプルです
*前のバージョン(ver.) クリックで続きます
1. 陽葵ちず 幸せだけが在る夜に
2.ゆるりー 君に捧ぐワンシーンを
3.茶猫 秘密のおやつは蜜の味
4.すぅ スイ...【カイメイ中心合同誌】36枚目の楽譜に階名を【サンプル】
ayumin
「…はぁ………ん…ぁん、いやぁ……ぁうっ」
暗くて狭い。密閉された空間。逃げられない私は目に涙をためた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あー…蒸し暑い…
空は生憎の曇りだというのに今日はなんだか蒸し暑かった。ったく。楽歩の奴…バスの冷房くらいつけろ...【リンレン小説】俺の彼女だから。。【ですが、なにか?】
鏡(キョウ)
A1
幼馴染みの彼女が最近綺麗になってきたから
恋してるのと聞いたら
恥ずかしそうに笑いながら
うんと答えた
その時
胸がズキンと痛んだ
心では聞きたくないと思いながらも
どんな人なのと聞いていた
その人は僕とは真反対のタイプだった...幼なじみ
けんはる
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想