「お金が足りない?」
リンは、玉座から立ち上がりそう告げた。
王女のドレスは今日も絢爛豪華だ。そして、一度着たドレスは二度と袖を通さないせいか、ドレスの数は膨大だ。今日でも着替えたのは4回目。
そしてクローゼットが足りなくなれば、国民から搾り取った金で買う。
リンはこれまた絢爛豪華な扇子で口元を隠しながら、じっと数段下で跪く家臣を冷たい瞳で見つめた。
「はい……そろそろ金庫も限界です」
「……そう。なら…」
そして、リンはニヤリと残酷に口元を歪ませた。
「愚民共から搾り取りなさい」
大臣を見下すその姿は、正に「悪ノ娘」そのものだった。
大臣はぐっと唇を噛み締める。そして立ち上がると、
「恐れながら申し上げます。王女様」
と、リンに丁寧な口調で、なるべく憤慨させないように、諭すように言った。
「そんなことをしていれば、王女様はいつか国民に逆に粛清されてしまいます。ですから、もうこのような真似は……」
しかし、リンの顔は怒りに満ちていた。
「……私に逆らうつもり―?」
そう。王女―いや、リンの逆燐に、大臣は触れてしまったのだ。
「いいわ。兵!明日コイツを断頭台送りにするわ」
「はっ、かしこまりました」
「王女様!!」
大臣の叫びは虚しくもリンの耳には入らず。
「私に逆らうからこうなるのよ」
腕を組んだまま満足げに微笑むその顔は、悪のオーラを醸し出していた。
* * * *
ザンッ……
翌日。
リンの命令通り、大臣は断頭台に送られた。
リンはそれを高い場所から満足げに見終わると、王宮へと消えた。
民衆がひそひそと小さな声で噂する中、泣き崩れる少女が一人。
「お父さぁん……!」
茶色の髪と赤い瞳が印象的な、17、8歳の少女。
その少女に芽生えた感情は、リンへの「恨み」以外なかった。
(絶対に、許さない……!)
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