あなたの足が踏まなかった
大地に咲く花の色を数えれば
思い出せなかったあのときの言葉を
ひとつでも呟けるだろうか
残されたものには鼓動を奪う風
助かったものには思考を塞ぐ闇
物差しで感情を測ろうとすれば
いつしか体中に目盛りが刻まれる
電気仕掛けでもタンパク質でも
寂しいのはきっと同じなんだろう
模倣されて笑えるのは良いことだよ
足を踏み出す以外に力は使えない
言葉の雨は耳栓の傘でしのげばいい
それとも私がなにか囁やこうか?
あなたの指が差さなかった
希望が舞う水の音を数えれば
答え出せなかったあのときの疑問を
ひとつでも導けるだろうか
託されたものには遺構を偲ぶ灰
交わったものには不幸を灯す影
眼差しで人心を測ろうとすれば
いまにも世界中に値札が貼られてる
空気ポンプでも太陽風でも
侘しいのはずっと変わらないだろう
尾行されて喜ぶのは良いことかな?
声を押し出す以外に酸素は使えない
吐息の風は盲目の盾でかわせばいい
それとも私が頭撫でようか?
増えることなかったパンも魚も
巨大なうずらが飲み込んでいくんだ
イナゴの群れは疑ってばかりいて
今も博士たちは星が見えず彷徨う
張り付いてしまったページをまだ
めくれない日々で立ち止まっている
押し花のしおりから根が巻き付いて
乾ききった花びらが隙間で泣いてる
電気仕掛けでもタンパク質でも
寂しいのはきっと同じなんだろう
模倣されて笑えるのは良いことだよ
足を踏み出す以外に力は使えない
それが怒りであれ嘆きであれ
永遠にも近い一瞬の生を全て
塗りつぶしてしまうのは惜しい
確かもう少し色が有ったからさ
もったいぶらずにその色を見せてよ
互いのキャンバスにぶちまけよう
ほうらもう笑顔じゃないか
ほうらもうお利口さんだ
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