「・・・・・・朝・・・・」
私は、いつものベッドで起きた。
そう、いつもの私の部屋。
なのに、何か違和感がする。
そう思っていると、窓の外から声が聞こえてきた。
「ミクちゃん!早くしないと、学校遅れちゃうって!」
そこに居たのは、リンちゃんだった。
「あ、リンちゃん!・・・・って?・・・?」
「ミクちゃん!とにかく、早く行かないと遅刻!」
其処に居たリンちゃんには、色々疑問が・・・。
「あ、うん、分かった!」
もう色々分からない事だらけなので、とりあえず制服に着替えて部屋から出ようとしたとき・・。
「ミクちゃん!そっちじゃなくて、其処にほうきが立て掛けてあるでしょ。それを使って窓から降りて!じゃないと本当に遅刻なんだから!」
そう、よく見ると、リンちゃんはほうきに乗って空を飛んでいる。
魔法使いのような感じだった。
「え?あ、分かった」
リンちゃんに言われた通りにほうきに乗って、窓から降りた。
「ミクちゃん、初めてにしては上出来じゃん!」
「リンちゃん、此処は一体どういう・・・・」
「説明は後!早く学校に行かないと遅刻しちゃうんだから」
「うん・・・」
なんだろう。この世界は。
後でリンちゃんから聞いた話によると、此処は魔法の世界。
私達が元居た世界の人が、主に此処に連れて来られてるようだ。
もしかしたら、他にも知り合いがこの世界に居る様だ。
「でも、魔法世界に行った後、普通の世界に居る筈の私達はどうなると思う?」
「分からない」
「私は、多分、存在が消えてるかも、って思ったの。怖いよね」
「でも、この世界は普通の世界より、楽しいよ」
「そう?」
「うん。だって、この世界は」

『魔法の世界だもん』

でも、私達はこれから知る事となる。
この世界の、残酷な秘密を。





「お、ミクじゃねえか、ミクも此処に来たのか」
「あ、クオ君!」
次に見つけたのは、クオ君こと、初音ミクオ。
私と似ている男の子だが、彼とは兄弟ではなく、従兄弟だ。
「あ、そうだ、もう一人、この世界に来てる知りあい居るぞ、ほら、レン」
「あ、レン君!」
「あ、ミクさん」
もう一人、居たのはレン君。
リンちゃんの双子の弟だ。
「あ、レ~ン!」
「り、リンも居たのか!?」
「え、二人ともお互いに来てる事知らなかったんだ」
クオ君は驚愕の表情を浮かべた。
「だって、俺は一昨日この世界に来たばかりだしな。リンはいつから居るんだ?」
「私?私はね~、もう2週間前から」
「僕は3日前から」
「私は今日来たばかり」
私は来た順番について皆と考えようと思った。
「ねえ、来た順番について考えてみない?」
「来た順番?何で?」
リンちゃんが聞き返した。
「なんかさ、この順番、何か関係するかな~って」
「う~ん、一番に来たのがあたし、あたしは何かある?」
『一番空想的な人』
その言葉は、怖いくらいに三人とも重なった。
「て事は、次に空想的なのが、クオ君ね・・・」
私は納得した。
「いやいやいやいや・・・。納得するな、ミク」
「まあ、ミクさんは、すっごい現実見てるからな~」
「そうなのかな・・・・」
【いつも】と変わらない会話。
そう、【いつも】は4人でこういう風に話しをしている。
魔法世界でも、普通の世界でも、この【いつも】は変わらない。

そんな気がした。



【ミク・・・・】
【大丈夫だ、きっと、ミクは戻ってくる】
【だって、リンちゃんも、レン君も、クオ君も、ミクと同じ目に・・・】
【今は、何も出来ない】
【そう・・ね、私達に出来る事は、こうやって、ミク達の安全を願う事しか、出来ないもの】
【ああ、だから、ちゃんと、生きててくれ】
【ええ。早く、あの元気なミクを見せて】

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  • 非営利目的に限ります
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夢の魔法世界【迷い込んだ世界】

閲覧数:95

投稿日:2011/08/09 11:52:55

文字数:1,539文字

カテゴリ:小説

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