キンモクセイ
いつからいるのだろう
大きな木
秋の夕空にうつる黄金色
その色がとてもうつくしい
風にゆられてささやく声
その声がとてもやさしい
そっと感じるあまい香り
その香りがとてもいとおしい
いつからいるのだろう
大きな木
ひそかな秋の風物詩
いつまでも会えると思っていた
いついなくなったのだろう
大きな木
色も声もにおいも
なくなっていた
かわりにあったのは駐車場
いつできたのだろう
大きな灰色の海
色も音もにおいも
かわっていた
いなくなった大きな木
あなたがいた場所は灰色でかためられ
生命の音がしなくなった
秋の色も声もにおいもいなくなった
私は忘れません
あなたの色と声とにおい
来年の秋もあなたはここにはいません。
だけども。
別の場所で
見るたびに
聞くたびに
香るたびに
思い出します。
私の秋の風物詩
あの場所のキンモクセイ
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