お盆の季節。
ネルちゃんが、派遣で勤める会社でも、お盆休みが出る。
休みにふるさとに帰省する人も多い。
ネルちゃんも実家のある秋田に帰るつもりでいる。
●ボーナスが出るぞ
彼女が勤めている会社「グーグレ出版」では、お盆休みの前にみんなに“臨時ボーナス”が出ることになった。
これは、この間出版した『嘘姫ちゃん』という本が、好評でヒット作品になったためだ。
『嘘姫ちゃん』は、雑貨作家で「つんでれ」という雑貨店を開いている、重音テトさんが書いた、はじめてのエッセイ本だ。
テトさんが雑貨や身の回りについて書いたもので、雑貨好きの人や多くの人に評判がよく、ちょっとしたヒット本となり、グーグル出版では社内でご祝儀(ごほうび)を出すことになった。
「臨時ボーナスかあ。いいなあ」
ネルちゃんは机に向かいながら思った。
まわりのみんなは楽しそうに、ボーナスについてのウワサをしている。
「でも社員の人たちだけだろうなあ。アタシは契約社員だから無理だろうな」
彼女は会社のウェブサイトを作る部署で、ブログの書き込みの担当をしている。
仕事の手を休めて、ふっと横を見ると、机のはじに何か置いてある。
「あれ?」
ネルちゃんはそれを手に取った。
野菜のナスに、割りばしのような棒でできた足がささっている。
彼女は目をみはった。
「こ、これ、もしかして」
棒にナス。ボーに、ナス。これが、私へのボーナス...?
ネルちゃんは悲しくなり、目の前が暗くなった。
●さあお盆だ
その時、部屋に部長が入ってきた。
「さあ、明日からお盆休みだけど、みんな遊びすぎてはだめだよ。それから、これはみんなへの臨時のボーナスだ。お疲れさま」
社員のみんなが、わあっ、と声をあげる。
部長は「祝儀」と書いてある袋をみんなに一つ一つくばり始めた。
ネルちゃんは、それを横目で見ながら、自分に与えられた野菜のナスをいじっている。
部長は、ネルちゃんのところへ来ると
「おや、面白いね。お盆の野菜のウシか」
と言った。
「え?お盆の?」
ネルちゃんが野菜を持ち上げると、となりの席の男の人が言った。
「あ、ゴメンゴメン、そこに置いちゃった。これはお盆の時に飾るウシだよ」
「ウシなの?」
「ご先祖様の霊が、これに乗って旅をされるように、ってね」
部長は袋をとり出すと、ネルちゃんに
「はい、君にもボーナス。ネルくんは、いつも頑張ってくれてるからねえ。ごくろうさま」
といって、渡してくれた。
ネルちゃんはほおを赤くして、ご祝儀の袋を受け取った。
「国の父ちゃん母ちゃんに、なんかお土産を買ってやろう」
そうだ、野菜のウシも一個作っていこうかな。
\(^_^)/
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