* 歌う鳥 *
歌いたかった
音楽を作り、聴いて、歌うものが羨ましかった
自分は一定の音しかなくて、リズムもとれない
それでも歌いたかった
高い空の果てまでは行けないことは分かっていた
なら音を響かせ、紡いで、音楽にのり
みんなに届くように大声で歌いたいと思った
あるものは無理だと哂った
君に何が分かるのさ?
あるものは蔑んだ
お前ごときが、だって?
あるものは気味悪がった
鳴くことはいいのに歌うのはおかしい?
でも、あるものはこう言った
とても素敵じゃないか!ぜひ聴かせてよ!
何度も何度も練習した
初めは拙い音符が流れる
でも、ようやく音から音楽にかわった
だんだん集まる仲間
哂い、蔑み、気味悪がったやつらもみんな笑顔になった
自分のまわりに音楽と笑顔があふれ
大好きな仲間に囲まれ
ずっとずっと音楽は続く・・・
その鳥は永い眠りにつくときこう言った
楽しいもんだね、と
とても安らかな表情だったんだ
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