リンの部屋を綺麗に片付けて・・・といっても、ホコリを払う程度だから、そんなに時間はかからなかった。
今日は、父と母と、僕が・・・死んだ日だ。
家族四人で、旅人を招いた歓迎会をしていた。楽しい歓迎会の途中、リンの姿が見えなくなって、不安になって探しに行った。裏庭で泣いているリンを見つけて戻ってくると、父と母が血を吐いて倒れていたのを覚えている。そして、その後、王子である僕か王女であるリンのどちらが王位につくかで大臣達がもめていた。前国王夫妻が亡くなったってのに、もう次の王位継承者の話をする大臣達に嫌気がした。
嫌な事を思い出しちゃったな、と思いながら廊下へ出る。
少し離れた場所に、メイトの背中を見つけたので、近付いて声をかけた。振り向いたために位置がずれたメイトの向こう側には、呆然としたまま涙を流すリンの姿が。
「・・・メイト」
「悪い・・・泣かせた」
「何言ったんだよ」
これまでにないほど頭に血が上る。
たとえ、メイトでも許さない。僕の妹を傷付ける人間は誰だろうと許さない。僕は、リンのために、リンが笑顔で生きるためなら、何だってする。
「・・・リ、」
だめだ。ここは城内なんだから。昔みたいに呼んではいけない。僕とリンの関係を、誰にも知られてはいけないんだ。油断禁物だ。誰がどこで聞き耳を立ててるか分からないのに。
「女王陛下、お部屋へ入りましょう」
「・・・」
やはり返事をしないリンの手を取り、ゆっくりと部屋へと通す。ドアを閉めると、忍び足で去ろうとするメイトの肩を掴み上げた。
「いっいたたたたたたた!!」
「で、何を言われたんですか、メイト団長?」
「こえーよ、レン!おまっ目が笑ってねー!」
「正直に答えてくださいね」
そして、メイトがリンに言った言葉を聞いて、感情的にメイトを殴ってしまった。でも、ちょっと同じ言葉を思ったことがあったので、少し弱めにしておいた。騎士団の団長をしてるメイトだ。僕に一発や二発殴られた程度でも平気だろう。
きっと今日一日、部屋にいるであろうリンのために、僕は城下町まで買い物に出かけることにした。
コメント0
関連動画0
オススメ作品
「彼らに勝てるはずがない」
そのカジノには、双子の天才ギャンブラーがいた。
彼らは、絶対に負けることがない。
だから、彼らは天才と言われていた。
そして、天才の彼らとの勝負で賭けるモノ。
それはお金ではない。
彼らとの勝負で賭けるのは、『自分の大事なモノ全て』。
だから、負けたらもうおしまい。
それ...イカサマ⇔カジノ【自己解釈】
ゆるりー
IWCで最も輝かしいスターは、IWCの長期ムーンフェイズ専門家です。
新しいポートフィノシリーズシースルー時計IW516409。
316L ステンレススチールケース、磨かれており、非常に滑らかです。 6 時位置にスモールセコンドダイヤルがあり、ストップセコンド機能を備えています。9 時位置には PO...IWCで最も眩しい透明時計
yuehhaomda
確かに今持っておかないと
仮に★10にしても 全滅を免れないこともあるから
無理をしてでも回収任務をしておいた方が
全滅リスクを減らせると思えば尚更かなぁ......(欲しいよ(>_...『付けっぱなしに出来るのが増える』
mikAijiyoshidayo
A1
幼馴染みの彼女が最近綺麗になってきたから
恋してるのと聞いたら
恥ずかしそうに笑いながら
うんと答えた
その時
胸がズキンと痛んだ
心では聞きたくないと思いながらも
どんな人なのと聞いていた
その人は僕とは真反対のタイプだった...幼なじみ
けんはる
愛の憎悪
【1A】
アイツは振り出しさ ボーダーライン超えたよ
長年の経験がモノを云う
素晴らしい街づくり 俺なりの気配りさ
裏ルートを俺とお互い一緒に作ろうぜ
【1B】
少なめじゃなくて欠いてる
無能力者を支え合おうぜ
女はそうバランスさ...愛の憎悪
YOTY
君は王女 僕は召使
運命分かつ 哀れな双子
君を守る その為ならば
僕は悪にだってなってやる
期待の中僕らは生まれた
祝福するは教会の鐘
大人たちの勝手な都合で
僕らの未来は二つに裂けた
たとえ世界の全てが
君の敵になろうとも...悪ノ召使
mothy_悪ノP
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想