どうしたいだろう
もしも終わらなくて
今日から何も
考えなくていいなら

遠くの海の
港町で一人
音楽を聴こう
漁火を背にして

山の畔
神社の猫が
楠の陰で寝るのを見る
カメラも持たずに

両親の墓には
かつて好きだった和菓子を置いた
知らない親戚の人が
送ってくれたものだ

改札を出る
知らない駅が
何も聞かずいる
どこにでもある
知らない街で
誰も触れずいる

学生達が紺色の鞄を手に歩いている
電車の音に負けていないくらいの声で笑っている

映画館に行こう
長い話がいい
平日だろう
席も混んでないし

影絵のように鴉を映す
オレンジに照らされた街並み
夕飯の匂い

プラネタリウムの帰り
星の数を数えていた
もう少し目が良ければ
綺麗に見えたのにな

甲板に出る
知らない島だ
だけど人がいる
流れる青空は
写真みたいな色で
笑える

駄菓子屋の甘いジュースで余計喉が渇いている
でもなぜか手に取った万華鏡を買い店を出る

改札を出る
知らない駅が
何も聞かずいる
どこにでもある
知らない街で
誰も触れずいる

叶わない未来
ありえない未来
どうせ終わるから

気が済んだのか
眠くなり
目を閉じて
息を吸う

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宣夜説

閲覧数:157

投稿日:2025/02/13 12:37:36

文字数:511文字

カテゴリ:歌詞

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