詩「彩羽!おはよう!!」
彩羽「うわ!…って詩!ビックリさせないでよ…。」
午前8時。 登校中に背後から突然衝撃を感じてよろける。
衝撃の正体は小学校時代からの同級生【麻倉 詩(あさくら うた)】。 まさに天真爛漫という言葉がぴったりな少女だ。
そしてそんな詩に呆れを露わにした少女は【神谷 彩羽 (かみや いろは)】。 物静かな性格で本を読んだり音楽を聴くのが趣味。
小さい頃から活発な詩とは正反対。
彩羽「ったく…私がそのまま倒れたらどうするつもりだったの?」
詩「いやいや、彩羽が倒れる訳ないって!現に今だって大丈夫だったし!」
彩羽「あのねえ…」
「はぁ…。」と彩羽はため息を吐いた。
そんな些細なことも詩は見逃さない。
詩「ため息吐くと幸せが逃げるよ~?」
片方の手のひらを口元に持っていき目を細める。
そんな仕草も可愛らしい。
彩羽はそんな女の子らしい仕草なんて絶対に出来ないだろう。
再度ため息を吐き、「もう逃げてるよ…。」と諦めたように言う。
その途端、詩が青ざめた。
詩「あっ…。そういえば今日の一限って…。」
彩羽(?…あぁ、なるほどね。)
彩羽は詩が青ざめた理由をすぐに理解した。
今日の一限は詩の大嫌いな古典なのだ。
しかも今回は課題も出されている。
大方その課題をやり忘れたのだろう。
そんなことを思っていると、詩は彩羽の目の前で両手を合わせ、
詩「彩羽!ごめん、課題見せて!」
彩羽(ほら正解。)
彩羽は心の中で呟いた。
彩羽「これで何度目?」
詩「え…うーん…初めて?」
おちゃらけた詩の態度に若干イラつきながらも彩羽は言い放つ。
彩羽「今週に入ってもう4回目。本当に何してるの?いい加減私も怒るよ?」
詩「(もう怒ってると思うけどなぁ…。早口になってるし。)とか言っても見せてくれるでしょ?」
爛々とした瞳で彩羽を見つめる詩。彩羽は再生中の音楽を止めて、iPodに目線を移す。
彩羽「…始業のチャイム鳴るまでに写し終えてよ?」
目線は変えずに彩羽は言った。
詩「!やったー!ありがとう彩羽!!」
彩羽の腕に抱きつく詩と迷惑そうにしながらも振りほどく事はしない彩羽。
正直、今までも詩ともう関わりたくないって思うことは何度もあった。でも、彩羽は詩と居る時間がなんだかんだ言って楽しくなっている。
彩羽「はぁ…毒されてるな…。」
詩「ん?どうかした?」
彩羽「別に。何でもないよ。」
本日何度目か分からないため息を吐いて教室へ向かった。
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