細い指先で銀の手錠を外して
月に曝された君の輪郭をなぞる
咽元辿って胸を優しく撫でても
闇色の毛並み紅に染まってゆく

尖った爪を出さなければ
君に触れられぬのなら

愛し方を知らない僕らは
今日も互いを傷付け合う
嗚呼それを罪と呼ぶのならば
痛みの鎖で繋がろう

牢屋に堕ちてゆく
囚人のように

白い踝に鉄の足枷を填めて
咎と嘯いて君を深淵に縛る
愛と苦しみを口移しで分け合えば
鋭い眼差し血の色に光り放つ

研がれた牙を立てる前に
強く抱きしめていたい

殺め方も知らない僕らは
明日(アス)も死に損ない生きてく
嗚呼それが罰と云うのならば
逆さ十字架の烙印を

家畜と厭われた
奴隷(スレイヴ)のように

コノ肉体(カラダ)ヲ貫ク楔
僕ラハ永遠ノ囚ワレ人

許し方も知らない僕らは
永久(トワ)に擦れ違ったままだろう
嗚呼それが宿命(サダメ)と云うならば
いっそ審判の矢で射抜いて

愛し方も知らない世界は
今日も何処かで争い合う
嗚呼それを神が裁くならば
冷たい獄(ヒトヤ)に閉じ込めて

奈落に囚われた
罪人のように