【恋色アンブレラボーイ】

突然降り出した 想定外の雨模様
降水確率10% 天気予報は大外れ
折り畳みの傘は 久々の登場で
憂鬱な空模様 気付いたら君がいた

「……お隣、どうですか？」
驚いた表情 顔をあげた君は
しどろもどろに 真っ赤になり
「僕と一緒に、帰りませんか」
そう言って 僕は傘を差し出した

恋色アンブレラボーイ 想定外
こんなの聞いてない 思考停止で
転がり落ちた雨粒は
ダンブライトのように煌めいて
恋色アンブレラガール 予報外
まるで奇跡みたい 小説みたいな
ヒーローみたいに かっこいいかな
昨日よりもっと 君を好きになって

翌日貰った 君の 手作りお菓子
恋の確率50% 恋愛予報は約立たず
嬉しすぎて 頬が 思わず綻んで
笑顔の君に そっと好きと呟いた

「かわいいね」「素敵だよ」
クラスメイトの声 耳を傾けて
僕の大好きな彼女 噂話
「僕が一番、好きなのに」
そう言って 胸の奥をしまい込んだ

恋色アンブレラボーイ 範囲内
そんなの知ってる 把握済みだし
静かに解ける恋の音は
トルマリンのように熱を帯び
恋色アンブレラガール 予報内
これは悪戦苦闘 小説なんかより
ずっと現実で ズキズキして
昨日よりもっと 君に恋してる

偶然見ちゃったんだ
君が告白される姿を
その時知っちゃったんだ
君の隣にいる誰かを
考えただけで 胸が苦しいよ

恋色アンブレラボーイ 想定外
こんなの聞いてない 予報大外れ
あの日と同じ雨粒は
ダンブライトのように煌めいて
「お隣どうですか？」今度は君が
顔を赤くして傘を差し出した

恋色アンブレラガール 測定不能
隣に並んだ肩 顔を上げた君は
雨音に負けない愛の言葉で
トルマリンよりも赤く染まり
まるで奇跡なんだ ドキドキして
昨日より微笑む 君と両思いで

※予期しない雨の神様の悪戯