1番

貴方を想えば
曇る今に溜息
さよなら告げても
届かないソネット

窓辺の男女に
スポットライト照らして
奏でた恋慕は
穏やかに途切れた

忘れはしません
薬指の誓いを
宛がう指輪に
微笑んだ新郎を

誤魔化して苦笑い
嘘だらけロミオは
いつまでもいつまでも
道化面で嗤うパペット――

ナイフで裂けた鼓動する柘榴
喉から走る静かな声の「何故？」
そっと塞いだ瞼
微睡みの中枕に添えたアンサー
希望を削いで理想も捨てて死を嘆く
サイプレス


2番

彼方を想えば
眩みもする毎日
やがては忘れる
頬に散る紅薔薇

徒花の私
ステージには飾れど
揺蕩う心は
喜びの早贄

涙は流せど
悔やむことはないから
報いは当然
哀れ身のジュリエット

淀むまま息継いで
嘘だらけロミオが
どこまでもどこまでも
恋しくなるベタなエチュード――

ナイフの咲いたイブニングドレス
藻掻いた末にか細く紡ぐ「何故？」
もう開けない瞼
遠のく意識右手に掴むアンサー
悲壮に染まり智謀を糧に死を捧ぐ
サイプレス

【間奏】

泣けど叫べど
進む時とシナリオ
悼み弔え
少女の末路

断てど散らせど
繋ぐ愛の呪いよ
赤糸車
永久に巡れ

返り咲け　狂い咲け　哀楽の花よ
遥かな時に示された証明
そっと塞いだ口に
遺せない夢紡がれたのは何故？
もう離れない二人
悶えた夜明け蘇るのは何故？
「嗚呼、運命の人よ」
安らぎの原　枯れ木に芽吹くアンサー
希望を抱いて理想も胸に死を迎え
厭う世界に未曾有の軌跡意志を繋いで
悲壮に染まり智謀を糧に血に穢れ
死生の合間匂う緑と木々の名は
サイプレス


ひらがなばん

1ばん

あなたをおもえば
くもるいまにためいき
さよならつげても
とどかないそねっと

まどべのだんじょに
すぽっとらいとてらして
かなでたれんぼは
おだやかにとぎれた

わすれわしません
くすりゆびのちかいを
あてがうゆびわに
ほほえんだしんろうを

ごまかしてにがわらい
うそだらけろみおは
いつまでもいつまでも
どうけづらでわらうぱぺっと――

ないふでさけたこどうするざくろ
のどからはしるしずかなこえの「なぜ？」
そっとふさいだまぶた
まどろみのなかまくらにそえたあんさー
きぼうをそいでりそうもすててしをなげく
さいぷれす


2ばん

かなたをおもえば
くらみもするまいにち
やがてわわすれる
ほおにちるあかばら

あだばなのわたし
ステージにはかざれど
たゆたうこころわ
よろこびのはやにえ

なみだわながせど
くやむことわないから
むくいわとうぜん
あわれみのじゅりえっと

よどむままいきついで
うそだらけろみおが
どこまでもどこまでも
こいしくなるべたなえちゅーど――

ないふのさいたいぶにんぐどれす
もかいたすえにかぼそくつむぐ「なぜ？」
もうひらけないまぶた
とおのくいしきみぎてにつかむあんさー
ひそうにそまりちぼうをかてにしをささぐ
さいぷれす

【かんそう】

なけどさけべど
すすむときとしなりお
いたみとむらえ
しょうじょのまつろ

たてどちらせど
つなぐあいののろいよ
あかいとぐるま
とわにめぐれ

かえりざけ　くるいざけ　あいらくのはなよ
はるかなときにしめされたしょうめい
そっとふさいだくちに
のこせないゆめつむがれたのわなぜ？
もうはなれないふたり
もだえたよあけよみがえるのわなぜ？
「ああ、うんめいのひとよ」
やすらぎのはら　かれきにめぶくあんさー
きぼうをいだいてりそうもむねにしをむかえ
いとうせかいにみぞうのきせきいしをつないで
ひそうにそまりちぼうをかてにちにけがれ
しせいのあいまにおうみどりときぎのなわ
さいぷれす