「いーち、にーい、…」

「で、次はどう動けと？」

「うん、後で、メモね、するから、待って、」



こんこんこん。



「さーん、しーい、」

「ほら、もっと低くできないのか？」

「ここ、までが、限界、いいい〜！」



こんこんこん。



「ごーお、ろーく、」


こんこんこん。

ばーん！



「もーさっきからノックしてるのに返事してくださいよ‼ …って、……何してるんすか？ゆるりーさん…」

「え？何って、お風呂上がりの筋トレですよ？」

「いやいや…いやいやいやいやいや‼ しかもなぜ先生とルカさんが?」

「遊びに来てみたんですが…ターンドッグさん、やっぱり、迷惑ですか…？」

「いや俺は全然構わんよ。賑やかになるしな。…で、先生は何を?」

「小娘の筋トレを観察するついでに次の撮影の打ち合わせしてたんすよ」

「ソウダネーワタシコムスメダヨネー。そう言うターンドッグさんはいったい何をしに私の部屋に？」

「…何しに来たか忘れました」

「おうふ…」

「うっかりさんなんですね。ターンドッグさんって」

「こらルカさんターンドッグさんをからかっちゃ駄目でしょー。あっ、でもこの間は面白かったなー。ここにICレコーダーあるけど聞きたい？」

「やめてください死んでしまいます‼‼」

「マスターみっともないぞ」

「冗談冗談。しまうから」

「俺としては一刻も早くその中の音声を消したいんですけどね(´・ω・｀)」

「あっそうだ。…はいターンドッグさん、バレンタインのチョコどうぞ」

「えっ? いいんですか?」

「市販の安いやつでよければですけど。学生のお財布事情は厳しいので」

「ゆるりーさんありがとうございます(なんかうちのルカさんに殺されそうで怖い)」

「…がっくんどうしたの？そんな寂しそうな表情して」

「別に…どうもしてないさ」

「(ルカさんからチョコもらってないこと、そんなに気になるのかな…気になるか)」

「先生もルカさんも仕事頑張ってな。無理しない程度に」

「ええ、どうも…頑張ります」

「(やっぱり二人とも、ギクシャクがとれないなあ…)」

「しかしゆるりーさん、俺にくれたのは嬉しいが他の人に渡さなくてもよかったのか？本命とかさあ」

「本命、ね…ターンドッグさんに言われたくありませんよ！先日はお楽しみだったみたいですけど、刑事ルカさんにちゃんとチョコもらったんですかー？」

「ぐっ、痛いところを…‼」

「えっお楽しみ？？？どういうことですか？？？」

「ルカさ〜んそのときの音声あるけど聞きたい〜？もう最っ高に素晴らしいんだよこれが」

「やめてください死んでしま(ry」

「マスター、そろそろ俺帰っていいか」

「私も…なんだか、疲れちゃいました…」

「ああ、うん、わかった。夜も遅いし気をつけて帰ってね」

「言われなくてもな。お邪魔しました」

「お、お邪魔しましたっ」

「またなー二人ともー」



「くれぐれも…喧嘩、しないで帰ってね？」