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「かなりあ荘が…消える?」
そんな話をゆるりーさんから聞いたのは、確か春先だったような気がする。
各々が自分の道を歩み始めて幾年経っただろうか。
一人称が『俺』だった自分も、仕事を重ねていくうちにいつしか『私』と自分を呼称するようになった。
そんな中、時折かなりあ荘には顔を出す時はあった。
同好の士...【最後の物語】さよなら、またね、かなりあ荘
Turndog~ターンドッグ~
平成最後の夏は茹だるような暑さだった。
すっかり人の出入りが少なくなったかなりあ荘の共有リビングで、扇風機がひたすら首を振る音だけが響く。
ぶーん、ぶーん、ぶーん……。
一般的に扇風機からエアコンへ冷房を切り替える温度の目安は三十度らしい。
かなりいい感じになったかなりあ荘でも、さすがに扇風機だけで...【かなりあ荘】おかしな騒動
ゆるりー
「すぅー、髪といてー」
「リリちゃん待ってて〜」
今日は久しぶりに暇ができたので、ちびリリちゃんとお出かけです。どうしようかなあ、本屋もいいけどカフェ開拓にも行きたいし、あ、でもリリちゃん出してもいいような場所にしないとな……。そんなことを考えながら今日着る服を考える。
因みにリリちゃんの服は頑...リリちゃんとおしゃれ【かなりあ荘】
すぅ
すっかり日も暮れて、カラスの鳴き声さえもしない午後8時。
不思議な空間を抜け、次に目を開けた時にはアパートの小さな一室の中にいた。
「あ、おかえり!一泊するって聞いた時はびっくりしたよー」
マスターがお茶をすすりながら私たちに言った。
まさかとは思うけど、私たちが帰ってくるまでずっと201号室にいた...ヴォカロへ遊びに行こう 15(完)【コラボ・ゆ】
ゆるりー
「いーち、にーい、…」
「で、次はどう動けと?」
「うん、後で、メモね、するから、待って、」
こんこんこん。
「さーん、しーい、」
「ほら、もっと低くできないのか?」
「ここ、までが、限界、いいい〜!」
こんこんこん。
「ごーお、ろーく、」
こんこんこん。...Rosemary【かなりあ荘】
ゆるりー
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンp
「うるさいです朝から何ですかっ!!!」
「ちずっ」
迷惑そうにドアを開けたちずを抱きしめる。
今日は...彼女が実家に戻る日。
1番長くいたいから、早朝6時からここを訪問しに来た訳だ。
ち...笑顔で【かなりあ荘】
すぅ
「ちずさーん、入りますよー」
ノックをして402号室の扉のドアノブを持つ。
…しかし返事がない。
そういえばさっきから部屋から賑やかな声が聞こえてて、それでノックが聞こえないのかもしれないなあ。
…仕方がない。
どうせ鍵は開いているはずだから、やむなく、本当にやむをえず、決して常日頃からこうやってい...【かなりあ荘】クロッカスが咲く頃に
ゆるりー
私がその部屋に入った時には、すでに満員だった。
皆でいたいけな少女を囲んでどんちゃん騒ぎ。
玄関でその光景を見て唖然、呆然と立ち尽くす私に真っ先に気付いたのは、しるるさんだった。
「あ、イズミさーん! おそいよーぅ!」
お酒でも飲んでるのかな、とも思ったけど、その手に持っているのはオレンジジュース。...【かなりあ壮】お元気で【イズミ草】
イズミ草
9月9日。
夏休みもとうの昔に終わり、全生徒(全国民?)が憂鬱な平日。
スイカも夏野菜も枝豆も美味しい季節が終わり、私はしょぼんとしながら時期が終わる枝豆をもぐもぐ食べる。ああでも枝豆本当美味しいもう幸せ。
学生は夏休みの課題(残り)をヒイヒイ言いながらやったり徹夜したり最早開き直って一切やらずに先...【かなりあ荘】秋風
ゆるりー
「あー、暑いー…」
夏。
先日日本列島を直撃した台風は、この地域に何日も大雨を降らせた。
その時に作ったてるてる坊主が、今はもうすっかり晴れた窓際に風鈴のように揺れる。
「…すいか食べよう」
部屋の冷蔵庫から1/4カットのすいかを取り出し、キッチンまで行って切って(一つはゆかりん用に小さく)、お皿に...【かなりあ荘】小さな迷子【ちびゆかりん】
ゆるりー
#3「ちびちゃんのおめめ」
ちびめちゃんがやってきて、早3か月が過ぎた
この3か月で
ちずさんのところに「ちびルカさんのるぅちゃん」
ゆるりーさんのところに「ちびゆかりん」
すぅさんのところに「ちびリリィちゃんのリリちゃん」
とお仲間が増えた
近いうちに
りんごのところに「ちびカイト兄」
あゆみんさ...【かなりあ荘】ちびちゃんのおめめ【byしるる】
しるる
「Sweet's Date」
かなりあ荘、初夏
梅雨が近づく五月半ば
暑かったり、涼しかったり、暑かったりする時期
どこかまわずひっつく私、しるるは、そろそろ「ええい!くっつくな!暑苦しい!」と言われ始める時期
そんな時期の、とあるお休みの日
午後2時を回ったくらい
「イズミさーん!おひまですかー?...【かなりあ荘】Sweet's Date【しるる】
しるる
「ちずさんちずさん!お願いがあります!」
とある日曜のこと、402号室のインターホンをピンポンして待つこと30秒。
「ほぼお化け屋敷」から「いいところじゃん」いわれるレベルにまでランクアップしたこのアパートは現在オートロックである。
ガチャっといい感じの音がして開かれた扉の先には、少し不満そうなちず...【かなりあ荘】Sweet's Cafe
ゆるりー
《with あゆみんさん》
「ハロー!ゆるりーさん!」
すぅさんとちずさんがこたつから出て行き、読書をしていた私。
ちょうどちずさんから借りていた本が読み終わったので返しに行き、そこでごたごたに巻き込まれ。
なんやかんやあって、リビングへ戻ってこたつむりをしていた私に、あゆみんさんが声をかけた。
「...White happiness --後編-- 【かなりあ荘】
ゆるりー
「…えぇ。はい。じゃあ、お願いしますね」
部屋を出てケータイを手に取る。
それから、メールの新規作成画面を立ち上げ、二人へ一斉送信する。
一斉送信機能って便利だよね。
だがしかし、私はほとんどこの機能を使ったことがないぜ!
そして、約一時間後。
「…あの、ゆるりーさん。お客さんなんですが…」
私の部...ヴォカロ町へ遊びに行こう 1【コラボ・ゆ】
ゆるりー
#「恐怖の時間」
かなりあ荘の管理人しるる
基本的におかしい人ではあるが、この日はさらにおかしかった
いつも通り、かなりあ荘に帰ってきたと思ったら、リビングにいたイズミ、つかさ、雪りんごをみつけて、ゆらりと近づくしるる
「ふふ……みんなぁ?しもべに召使い、下僕、それかペットや奴隷……好きなものを選ば...【かなりあ荘】恐怖の時間
しるる
#「しるると清花の協力」
かなりあ荘には幽霊が住んでいる
およそ100年前、呉服屋の娘として生まれ、当時の死の病である結核によって14歳という短い生涯を終えた女の子
名を清花(きよか)という
そのかなりあ荘のしるるの自室前……
「清花ちゃーん」
私は幽霊が見えるアイテムである星型のイヤリングこと、シ...【かなりあ荘】しるると清花の協力
しるる
#「しるるの悪ふざけ」
かなりあ荘の管理人しるる
一番年上なはずなのに、そんな感じがしないほどの困った人
基本的にお茶を飲み、コタツやお布団でふにゃっとしているのがデフォ
ゆるりーさんのお菓子とったり、つかさくんにちょっかい出したりがデフォ
ターンドッグさんや、イズミさんなんかに、かまってオーラを出...【かなりあ荘】しるるの悪ふざけ
しるる
今日は日曜日。
某国民的アニメを見て、「あぁ、明日学校(仕事)行きたくないなー」と思う日のことである。
絶賛春休み中の私には関係のないことだが、勉強だけは毎日しなければならない。
学生って忙しいよね。
世間ではこの人の誕生日だ感謝の日だ、とやたら忙しい。
いや、毎日誰かの誕生日ではあるが。
とくに今...White happiness --前編-- 【かなりあ荘】
ゆるりー
#「しるるの日常」
かなりあ荘管理人にして、駄目大人の見本
それが私、しるる
年下の女の子に弱く、小さな子供にはさらに弱いという変人
◎しるる&ターンドッグの場合
「はい、ターンドッグさん」
しるるは笑顔でお茶を出す
「どうも」
ずずっと、出されたお茶を飲むターンドッグ
「あ……そうだ、しるるさん、...しるるの日常【かなりあ荘】
しるる
「えーと、この欄はこうして…あ、こうか」
ちゃぶ台の上に書類を広げ、時間をかけながら一つ一つ記入していく。
面倒だけどやらなきゃいけないんだよね。
一応、大事なことだし。
…よし、終わった。
あー面倒だった。肩がこった気がする。
「んと、お菓子と本と…」
鞄に書類を詰め込み、代わりにお菓子と本を取り...Winter scenery【かなりあ荘】
ゆるりー
「ああああああ!!!」
机に思い切りノートを叩きつけ、ばたんと立ち上がる。
本当はそれだけでも騒音なのだが…あ、しかも私叫んだね。
でもまだ、こんなんじゃ収まらない。
本当は、机に向かっていないで、一日中わめいてすっきりしたい。
だが間違っても今年は受験、ちゃんと勉強しなければいけない。
というか、...清らかな花【かなりあ荘】
ゆるりー
「はー…」
九月に入って数日経ったある日。
少し頑丈になったドアにもたれかかり、私は呟いた。
「…暇だ」
さっきまで勉強をしていたはいいが、だんだん手が痛くなってくる。
あと、単純に飽きただけである。
だって背中も痛くなったんだもん(理由になってない)。
というわけで、やることがなくなったのである。...夕暮れ時【かなりあ荘】
ゆるりー
#「幽霊ちゃんの気持ちになってみませう」
清花……それはこのかなりあ荘に憑りつく幽霊ちゃんの名前
見た目は、まだまだあどけなさが残るかわいい女の子
朝食を作ってくれたり、カーテンをシャーしてくれたりととても面倒見のいい子
でも、そんないい子を泣かした阿呆がいた
それが管理人のくせに管理する気がないし...幽霊ちゃんの気持ちになってみませう【byしるる】
しるる
ある土曜日の午後。
その日のかなりあ荘は静かだった。
ほとんどの人が用事により外出していたからだ。
だが、誰もいなかったわけではない。
このアパートの管理人、しるるさんは一人でお茶を飲んでいた。
そして、もう一人。
しるるさんの知らない内に外出し、知らない内に帰ってきた者がいる。
そう。ゆるりーであ...ある休日のかなりあ荘【かなりあ荘】
ゆるりー
#「幽霊ちゃんとお話しませう」
ある土曜日、かなりあ荘は静かだった……
共同リビングでお茶を淹れて静かに飲む管理人しるる
「……お茶、うま」
ずずーっと音を立てて飲む
歳よりくさいかもしれないと思いつつも、誰かがみているわけじゃないし、いいかと思う
しるるは暇を持て余していた
「……静かだなぁ……み...幽霊ちゃんとお話しませう【byしるる】
しるる
#「幽霊ちゃんと遭遇しませう・後編」
前編のあらすじ
しるるがふざけた
お化けを見ようと手に入れた【シルルスコープ】であったが……
うまく使えないので、説明書を見る
『本商品には、電池が入っていません。別売りの電池を装着してください』
あ、電池ね
しるるが電池を入れる
そして、シルルスコープを起動す...【後編】幽霊ちゃんと遭遇しませう【byしるる】
しるる
#「幽霊ちゃんと遭遇しませう・前編」
「こんにちは、かなりあ荘にようこそ!」
もし、この世界がRPGなら、この言葉をいうための存在、管理人しるるです
このたびは、ほぼお化け屋敷の外観のかなりあ荘に入居していただいた皆様、ありがとうございます
というか、皆さん、ご存じなのでしょうか?
実は入居者が減る...【前編】幽霊ちゃんと遭遇しませう【byしるる】
しるる
#「かなりあ荘の幽霊・後編」
庭の桜の木が満開になるのを、病床からじっと見る私
あれから、咳がひどくなり、体の重さや熱などもひどくなっていった
食欲もなく、痩せていく一方
そして何よりも、自分の生きている意味を失った心が一番つらかった
「少しでもなにか食べないと……」
そういって、両親が心配するが…...【後編】かなりあ荘の幽霊【byしるる】
しるる
#「かなりあ荘の幽霊・前編」
やかましい蝉の声が裏の神社から鳴り響く季節
近頃、軍人さんやお金持ちの人には、西洋のハイカラな洋服というものがある
この街の街並みも、昔とはずいぶん変わったと呉服屋を営む父親が言っていた気がする
もしかしたら、時代は変革の時なのかもしれない
けれど、一般庶民の私には、あ...【前編】かなりあ荘の幽霊【byしるる】
しるる