＃「幽霊ちゃんと遭遇しませう・後編」



前編のあらすじ

しるるがふざけた




お化けを見ようと手に入れた【シルルスコープ】であったが……

うまく使えないので、説明書を見る


『本商品には、電池が入っていません。別売りの電池を装着してください』


あ、電池ね

しるるが電池を入れる


そして、シルルスコープを起動すると……

…………

…………

別に何も起きない

しかし、オーキドが出てこないとこを見ると、これで間違ってはいないらしい




待ってみる……


日が暮れても、待ってみる……


というか、しるるは暇なのか、ずっと待っている……



すると、目の前をすっと通る袴姿の女の子


「あー、かわいいなぁ……」


あくびをしながら、お化けが出るのを待つしるる





深夜になっても、とりあえず今日はお化けを見るまでは寝る気のないしるる

のどが渇いて、キッチンにお茶を入れに行くと、そこには袴姿の女の子


「あ、こんばんは、私にもお茶、ちょーだい」


しるるが彼女に話しかけると、彼女は驚いて、走ってどこかへ行ってしまった


「あらら……おどろかせちゃったかな？」




自室に戻り、お茶を飲みながら、一生懸命起きていた……が……

耐えきれなくて、布団に寝転がると、一発で睡魔に負けた

















翌朝、私は夜遅くまで起きていたので、朝、当然、自力では起きない

シャーとカーテンがあく


「目がぁぁ！目がぁぁ！」


お約束をした後、私は眠い目をこすり、起きる

すると、そこには袴姿の女の子


「あ、おはよ……」


しるるはシルルスコープを使ったままだということに、気づいてはいなかった


「あ……あの……私、見えてますか？」


少女は不安そうにそういった


「え？なにが？あれ……というか、あなた……誰だっけ？ごめんね、名前覚えるのが苦手で」


そう。しるるは他人の名前を覚えるのが苦手

事実、この前も神宮寺さんのことを神宮司さんと間違えている


「え……あ、わ、私は……清花(きよか)といいます」

「ふぅーん……そか、うん…………あぁ！清花さんね！あー……うん、そうだよね」


思い出したふりをするしるる


「あ、あの……早く朝ごはん食べないと、会社、遅刻しますよ？」

「ああああ！！そうだった！じゃ、じゃ、じゃじゃじゃ、私、行くから！」


慌てて部屋を飛び出すしるる


「え？あ、あの！まだ着替えてませんよ！」


彼女の声は私には聞こえなかった






その後、玄関にて、つかさくんに言われました


「しるねえさん、今日はお休みですか？」


と……

なぜなら、私服だったから……


「あっ！」


赤面するしるるは、お化けのことは全く考えてなかった

ただ、遅刻しないように！……それだけだった










結局、お化けさんには、会えなかった

けれど、今日も朝刊がリビングにあったし、朝食も準備してあった、カーテンもあけてくれ…………あれ？