「これで、ひとまず一件落着ねぇ、執事」
「そうですね、アリス様」
部屋に戻った2人は、まずそう声をかけ合いました。窓の外は夕日が空をオレンジ色に染めていました。なんとなく、いい雰囲気です。
「・・・・ねぇ、執事」
少し感じが違うアリスに、執事はその言葉の先を察しました。
「・・・分かってますよ、アリス様。今日の夜、自室にちゃんといて下さいね?」
「・・・分かった。・・・待ってるから」
それだけ言うと、アリスは部屋を出て行きました。
ばたん、と妙に心寂しい音がしてドアは閉まりました。
「・・・」
執事は、夕日をしばらく眺めて夜が来るのを待ちました。
「今日ね、アリス様に執事様が告白しに行くそうよ」
「「「えーーーっ!!?」」」
「執事様ったら・・・自らの主をも手玉に取るなんて・・・・」
「もしかして、ロリコンじゃないの?」
「「「「アリス様、今すぐ身の安全を、ですわーーっ!!」」」」
(夜。ついに、ついにこの時がやってきてしまいました。今夜、何も起こらないといいのですが・・・・)
アリスの自室へ向かう執事の内心はすごいことになっていました。それでも冷静さを失わないのは執事であるからか。
「アリス様、入ります」
そう言って、ドアを開ける執事。
「あ・・・早かったわね」
執事を振り返り、にっこりとするアリス。
「あ、あの・・・告白の返事をしにきました」
執事は、ほっぺたをわずかに赤くさせながら言いました。
「・・・・うん」
いつものアリスはどこにいったのかアリスは恥ずかしそうに、小さく頷きました。背後の夕焼けが映える窓からオレンジ色の光が逆光となって、アリスを儚い存在に思わせました。
「・・・あ、アリス様」
執事はアリスの前に来て、目を合わせます。アリスも執事を見ます。
「・・・すいません」
「・・・え」
うさ耳をゆらして、執事は自分の唇をアリスの唇に軽く押し当てました。
お互い頭につけたうさ耳も嬉しそうにゆれています。
しばらくそうすることい数分間。夕日だけがそんな2人を見守っているだけでした。
やがて、執事はアリスから離れてうさ耳も名残惜しそうに離れます。
「・・・・・・」
「・・・執事」
アリスは泣きそうな顔で言いました。
「私のこと・・・執事としてじゃなくて、これからは・・・・彼氏として、守りなさい」
「・・・・アリス様」
執事は、内心ガッツポーズをしながら胸に手を当て、
「分かりました。アリス様のお望みのままに」
と、しっかりとした口調で言ったのでした。
「・・・・」
アリスは、優しげに執事を見た後、
「・・・今、心の中でガッツポーズしてたでしょ、執事?」
と、冷たい笑顔で、ニコニコしながら呟きました。
「・・・・・・」
見事言い当てられた執事は、黙り込むしかありませんでした。
「・・・全く、貴方の考えていることなんて全てお見通しなのよ。・・・まぁ、最も、キスするだなんてことはさすがに分からなかったけれど」
そこには、いつもの嫌味なアリスしかいませんでした。
執事は、頭を抱えたくなりつつもとりあえず、告白は無事成功したことにほっとしました。
外では、夕日が何もかもをオレンジ色に染めているのでした。
END ?
コメント3
関連動画0
オススメ作品
「MEIKOさん。あのねぇ。肝臓の数値が悪くなってるの。わかってますか?」
医者の呆れた声が脳に響きわたった。
「重々承知しています、はい」
ライブ直前になって、健康診断の時に医者に言われたことを思い出していた。
本当ならこのまま禁酒したい。しかしそれは出来そうにもない。
何故なら、お酒の美...禁酒? なにそれ美味しいの?
ゆきねぎ
■0S
コミュコミュコミュ コミュニケーション
お互い知れるコミュニケーション
コミュコミュコミュ コミュニケーション
心つながるコミュニケーション
■MC_1
KAITO(人)「なぁお前、最近どうよ」
LEN(猫)「いやぁもうダメだわ。いぼ痔が悪化しまくってまじキツいわ。
おまけにこないだ腸炎にな...れっつ★こみゅこみゅ!
むっちゃん(Muufe名義で活動中)
勘違いばかりしていたそんなのまぁなんでもいいや
今時の曲は好きじゃない今どきのことはわからない
若者ってひとくくりは好きじゃない
自分はみんなみたいにならないそんな意地だけ張って辿り着いた先は1人ただここにいた。
後ろにはなにもない。前ならえの先に
僕らなにができるんだい
教えてくれよ
誰も助けてく...境地
鈴宮ももこ
Embark on flights bos to Iceland that seamlessly connect these two distinctive destinations. Departing from Boston Logan International Airport, travel...
flights bos to iceland
emily4747
気が狂ってしまいそうな程に、僕らは君を愛し、君は僕らを愛した。
その全てはIMITATION,偽りだ。
そしてこれは禁断。
僕らは、彼女を愛してはいけなかった。
また、彼女も僕らを愛してはいけなかった。
この心も日々も、全て偽りだ。
そんな偽りはいらない。
だったら、壊してしまえばいい。
『すっとキ...【VanaN'Ice】背徳の記憶~The Lost Memory~ 1【自己解釈】
ゆるりー
彼女たちは物語を作る。その【エンドロール】が褪せるまで、永遠に。
暗闇に響くカーテンコール。
やむことのない、観客達の喝采。
それらの音を、もっともっと響かせてほしいと願う。それこそ、永遠に。
しかし、それは永久に続くことはなく、開演ブザーが鳴り響く。
幕が上がると同時に、観客達の【目】は彼女たちに...Crazy ∞ nighT【自己解釈】
ゆるりー
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想
hogawa_511
ご意見・ご感想
大分遅くなりましてすみません。
ホガワです。
久しぶりに見てメッセージやら新着情報やらがすごいことになってました。
1つずつコメントしても返信が大変かと思い、まとめようと思いましたが駄目でした。
くそぅ、執事め!
どんな面白おかし・・じゃなく、素敵なセリフで告白するのかと思ってたのに!!
(その後、アリスに(台詞が)長すぎとか「何言ってんの?」的なつっこみ返答されれば良いんです)
いえ、別に私は二人のHAPPY ENDみたいですよ?幸せを願ってますよ?(←嘘臭い
許可なく婦女子にksなんて・・・執事なんてセクハラで訴えられてしまえ。(3分の1冗談です)
メイドさん達の情報網とノリが結構好きです。
それではこの辺で。
続き読んできます。
2009/12/21 20:44:46
もごもご犬
>ホガワさん
こんばんは!すっごくお久しぶりです、ほんとに(しみじみ
・・・すいません、そのメッセージの何割かは私のですね(笑
執事はそんなに言葉が豊富じゃないので態度で示したんですよ、でもだいぶ迷いました。
執事の告白どうしようとかどうせなら斬新なのがいいなぁとか。
で、結局はそうなってしまったとそういうことです☆
・・・3分の1冗談って・・・じゃあ残りの3分の2って・・・。
メイドたちって、意外と濃いキャラなんですよね(笑
気に入って頂けて嬉しいですよー♪
コメント、どーもです☆
2009/12/21 21:06:21
もごもご犬
ご意見・ご感想
>きょあさん
こんにちは!
期待をいい意味で裏切られたようで嬉しいです(笑
そう、まさかの展開ですww
この2人が今後どうなるかお楽しみに♪
コメント、どーもでした★
2009/12/06 13:47:09
ぐんそう
ご意見・ご感想
告白キタ-----(゜∀゜)-----!!!!!!
執事は何て言うのか楽しみにしていたら…まさかのk(ry
参りましたwwwwwww←
お嬢様、執事お幸せにvV(*/ω\*)
2009/12/06 12:00:41