「今、何処で何してるの」


「……なァに。気になる?」



乱れたシーツ、

横で寝息を立てる女の子、

携帯電話の向こうで話す君。


いつからだろう。

こんな風にしか、生きられなくなったのは。



【 S P I C E ! 】




「レン、遅かったね」


「リン、起きてたの?」


「ううん、今送ってもらって帰ってきたトコ」


「あぁ…」



リンには

最近彼氏が出来たらしい。



いつもいつも彼氏の優しさを自慢をされては、

嬉しそうに毎日を語る。



そんなリンが可愛かったし、シアワセならいいかな、なんて思ってた。



でも、時々、「女」の顔をするリンを見る度、

少しずつ俺の何かが削られていくのも分かってた。




「リン」


「ん?」


「ついてる」


「へ」


「キスマーク」


「!!!」


「…ウッソー」


「ちょっ!!レンの馬鹿!からかわないでよ!」



ああ、

きっと俺には

どうにも出来ない。いつまでも一方通行。



削られて削られて

出来た隙間を

気付けば他の誰かで満たして、

またリンに削られて、



「ねぇ、おねーさん」


「え」


「アソンデ、俺と」





そうやって


いつか最後のひとかけらすら、消えたとき


俺は


リンを壊すんだろう。




だから、


早く 早く、



俺を壊して。







リン、


お前をただ抱く為だけに


俺はこんなにも


理由が居る。





ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

SPICE! 

解釈です。どうしてもリン本命の遊び人にしか見えないSPICEレンきゅん

閲覧数:528

投稿日:2011/05/03 08:44:57

文字数:657文字

カテゴリ:小説

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