風花をまとい咲く
血のような寒椿
ぽとりと落ちた紅に
また君の声を聞く

汚れなき真白へと
にじみだす赤い色
冷たく細い指先が
手の中をすり抜けた

北風が
しめつける
刻まれた深い傷
舞い落ちる粉雪は
凍付いた涙のように

ああ
もしもふたり出会わなければ
こんな運命 なかったですか
今もどこか 空の下で
君は笑って いたのでしょうか
ああ
走るように季節は巡る
いくど夏を 秋を重ねても
冬のたびに 君を幻視(み)ては
あの日のように
また春を待つ


面影を追うように
花に追われるように
雪の参道登りゆく
ひとりきりの足跡

寒椿の色に
染められた唇で
君が紡いだ言葉みな
余さずに覚えてる

雪に見る
幻は
叫ぶよ(う)な悲しみと
確かにそこにあった
幸福な時間の記憶

ああ
もしも君を愛さなければ
世界は今も 灰色のまま
咲いた花の 色も知らず
虚しく命 終えたのでしょう
ああ
胸の奥の暗闇照らす
君がともした 消えない灯(あかし)
春に続く 行方しめす
あの日のように
あたたかな手で

振り返り
見下ろした
もう戻れない
小さな世界
夕暮れ告げる
鐘の音
かえろうと
誘うように

ああ
もしもふたり出会わなければ
こんな運命 なかったですか
傷つけ合い 愛し合った
あの束の間の 愛しき日々も
ああ
雪を埋め尽くす寒椿
一輪ごとに 春を数えた
風花の中 きみの声を聞く
ずっとずっと
(今もずっと)
愛しています

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

春を待つ

閲覧数:117

投稿日:2009/02/27 01:05:16

文字数:618文字

カテゴリ:歌詞

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