*ルカミク、レンミク、ルカリン、レンリン表現有につき注意
*みんな黒いです


ミクに、子供ができた。


久々に会ったミクは、あの可愛い制服姿の無邪気な少女じゃなかった。
私は高校を出てすぐ渡米して留学した。
その間仲良しだったミクとリンとレンとはずっと連絡を取っていたし、この四人はいつも変わらないと思っていた。

でも帰ってきて、空港で迎えてくれたミクのお腹は大きく膨らんでいた。
その薬指には結婚指輪
驚いたことに同じものがレンの指にもはまっていた。

「ひさし…」

ぶり、という言葉は出なかった。
久しぶりにみんなに、ミクに会えるというドキドキした気持ちがサーッと冷めていって笑顔が固まった
お腹が大きいということは、子供がいるということ
指輪をしているということは、結婚をしているということ

それでも泣かなかったのは持ち前のポーカーフェイスが役にたったということだろうか

「ルカちゃん!久しぶり!」

ミクはそんな私に気付かずに笑顔で、挨拶をする。
久しぶりじゃないでしょう。そのお腹、どうしたの
まとわりついてくる無邪気はリンを交わしながら話しかけると、照れくさそうにミクは笑ってレンを見た
二人でアイコンタクトをして二人で笑う。
グラッと視界が歪んだ気がした

「もうすっかり二人ともバカップルなんだよ」

リンが私の腰にまとわりついて楽しそうに笑った。
そんな茶々にも二人は照れくさそうに笑って、身体をくっつけている
その手と手が絡み合って握られているのを見て、バックを持つ手に力が入った
私は今、笑えているだろうか

「ごめんねルカちゃん。結婚式は赤ちゃん生んでからしようってなったから…ルカちゃんに報告遅れちゃったんだ」
「…何カ月なの?」
「10カ月!もうすぐ生まれるんだよ。女の子だったら良いなー」
「…そう」

我ながら情けない声だと思った

ミクは自分のお腹に触れると、私も見たこと無い顔でお腹の中の赤ん坊に話しかける
その顔は母の顔だった。
私だったら見せられない顔
固まってしまった私に、大荷物の一つを自然に受け取って持ったミクはそれを両手に持って笑いかける

「あのね、ルカちゃんにこの子の名付け親になってもらおうってレンと話してたんだ」
「いきなりだけど、ミク聞かなくて…って俺が持つよ」
「ありがとレン」

すぐにその荷物はレンが持った。
そんなさり気ないしぐさもいつの間にか様になっている
それよりも、名付け親。そんな話本当に聞いていない
当たり前だった。私はミクに子供が出来たことさえ今聞いた

「やっぱり駄目かな…?私、みんなでこの子を育てていきたいんだ」

ミクの子供の親になる
親の前に「名付け」という言葉はつくが、好きな人の子供の親になれる
胃の中がどうにかなりそうだ。
それでもミクの幸せそうな顔を見たらうなずくしかできなかった。

そんな自分が憎くて憎くて
歩き出した一行の後ろから唇をかみしめて、私はついていくことしかできなかった。







ルカ視点。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

腹部連鎖反応1

ルカミク、リンレン、ルカリン表現あります。みんなそろって黒い
そしてミクが妊娠しています。注意

閲覧数:873

投稿日:2010/05/06 00:13:57

文字数:1,262文字

カテゴリ:小説

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  • ミヤビ

    ミヤビ

    ご意見・ご感想

    はじめまして、ミヤビといいます。
    読ませていただきました。
    妊娠ってのはあまり見ない設定だったのでおもしろかったです!
    続き楽しみにしています!

    2010/06/19 09:02:48

    • sinn

      sinn

      >>ミヤビ様
      コメントありがとうございます。
      駄文で更新は遅いですが、呆れずに次回作も見ていただければと思います。
      どうしようもない文章で申し訳ないです。

      2010/06/19 16:58:32

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