「おやすみ」

その言葉を聞いてから私はどれくらいの間眠り続けたのだろう?
私はいつ目覚める事が出来るのだろう?

眠る。眠る。
夢の中。

甘い香りがする。
林檎の匂いかしら?

夢の中では王子様が私の元へやって来て優しいキスで目が覚めるの。
でも、現実は違う。
王子様は来ない。
いいえ、いいるわ。
でも、優しいキスで目を覚まさせてはくれない。
何で?

眠る。眠る。
夢の中。

思い出せない。
私は何故眠っているの?
王子様は何故キスをしてくれないの?
私の事を嫌いになってしまったの?
また、眠る。

眠り、眠り、眠る。
記憶の中。

甘い香り。
そして、少しだけほろ苦い毒の味。

あぁ、思い出したわ。
王子様は恋をしてしまったの。
私に。
じゃあ、何故起こしてくれないの?
答えは簡単よ。

王子様は眠る私に恋をしたの。
眠る様に死んだ私に恋をしたの。

幸せ。
私の事を愛しているの。
私も愛しているわ。

私は永久の眠りにつく。
幸せな夢物語をみながら。
(毒林檎を渡した王子様。それでも、幸せ。これは幸せ。不幸せというもの知らぬお姫様にとって)

ライセンス

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お姫様の眠り

ネクロフィリアな王子様とお姫様の話です。
余談ですが、死体とは本当に美しいそうです。
死体に魅了されたという日本人も少なくないのだとか・・・
ある書物には「人は死ぬと等身大の美しい人形へと変わる」とも書かれてあります。
眠り姫やいばら姫の王子はネクロフィリアなんじゃないかという話もありますからね。

こんな事を書いてる僕は一度も死体などは見た事ないんですがねw

閲覧数:90

投稿日:2011/08/21 23:20:28

文字数:482文字

カテゴリ:小説

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