「海に行ったら蛙は死ぬんだよ」と
彼女は泣いた
電車の到着まであと五分
彼女の目からほろほろと
零れる真水が愛おしい

行こうか行くまいか
行こうか行くまいか
行こうか行くまいか

ああ、やっぱり行こう

僕は深い井戸の底から
這い上がったアマガエルで
それだけでもう
何だってできると思った
空が青くて雲は白くて
それだけでもう
何処にだって行けると思ってた



「鱗もないのに泳げるものか」と
魚に笑われ
それでも精一杯やってきたつもりだった
空からしとしと雨が降る
故郷の真水が懐かしい

帰ろうかよそうか
帰ろうかよそうか
帰ろうかよそうか

ああ、やっぱりよそう

根拠のない自信はいつの間にか
カラカラに渇いて
ここにはもう
僕に飲める水はないのだけれど
あの日見つけた同じ空から
同じように雨は降るから
もう少しもう少し
言い訳しながら立ち止まってる



僕は高い井戸の壁を
よじ登ったアマガエルで
それだけでもう
何にだってなれると思った
鱗は生えなくても
尾びれが生えなくても
今だってまだ
何にだってなれるんだって
根拠もなく信じてる

こんな僕を笑うかな
こんな僕を笑うかな

空の深さじゃ満足できない

こんな僕を嗤うかな
こんな僕を嗤うかな

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

井ノ中ノ蛙

閲覧数:38

投稿日:2009/03/18 00:01:21

文字数:537文字

カテゴリ:歌詞

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