――人は誰でも壁を壊せる。


≪HALO【自己解釈】≫

 彼女の目の前にはいつの間にかとてもとても高い壁が建っていた。
 それは誰もがいつものように造られたもので、
 誰もがそれを壊して乗り越える力をもっている。
 その向こうへ、消えそうな声で。
「ハロー、ハロー」と叫んだ。

 人間は誰もが自分の弱さを、見てみぬふりして生きる臆病で強がりな生き物だ。
 でも、そんな掛替えのない自分だからこそ
「ハロー」と、ぎゅっと抱き締めて離さないで。

 世界はこんな呆れる程広大なもので、たった人間の僕なんか笑えるほどちっぽけだ。
 だけど、信じて。
 この両手いっぱいに様々な色の光りを集めて。
 それはどんな色だって構わない。
 全てを突き抜けるように、全てを乗り越えるように、放つよ。

 彼女の頬を伝うのは、強い感情の雫だった。
 彼女はそれを両手で強く、拭って消した。
 それは誰もがもっている大切なもので、
 決して誰もがなくしてはいけないものなんだ。
 いつだって、どんなときだって。
 大切なものは、
 心の奥にしまっていたんだ。

 『正しい』ことを、誰もが傷つけたくないから、怖いから、しないでいる。
 『正しい』意味を見失ってしまうけど、胸の奥に隠してあるナイフは、誰かを傷つけるものじゃない。
 誰かを、守るための『正しい』勇気なんだ。

 ワタシはいつか、心の中の深い暗闇に隠した過ちを、受け止められる時はくるのだろうか。
 それはどんな人間にも言えることで、どれほど深いだなんてヒトにもよるさ。
 けど、その『受け止められる時』の小さな希望の欠片でもいい。どんな小さなものでもいい。
 集めればきっと、全てが、どんなに深い暗闇でも照らし出されるはずなんだ。
 それを、確かめるように、歌うよ。

 誰もが“生きてる意味”を探すために今日から明日へ、向かうんだ。
 見つからなかったら、明後日に行くし、だめなら明明後日。
 だって、この壁を壊せるのは、他人じゃない。
 自分自身なんだから。
 さあ、その拳に強く強く力を込めて。
 壁を壊そう。

 世界はこんなにも呆れるほど広大なんだ。
 無限大の可能性を描けるのはキミ。
 この体に、全身に集ったヒカリよ。
 全てを包み込むように、キミの全てを包み込むように、放って――。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

HALO【自己解釈】

どうも、お久しぶりです。
れるりり様の「HALO」の自己解釈をかかせていただきました。
爽やかでとてもいい歌ですね……。

本家様:http://www.nicovideo.jp/watch/sm17599064

閲覧数:455

投稿日:2012/04/22 15:55:06

文字数:978文字

カテゴリ:小説

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