苦味が残った
奥歯で噛み締めた
小さく硬い実は
青い色をしてた
弾けて溢れた
忽ち飲み込んだ
たったの一滴
更に渇きを呼ぶ
どうしてもこの飢えは
満たされないみたい
夏の影に落とされて
私は独りになる
掴む枝すら無いまま
声を嗄らして立っている
甘さを信じた
何度も裏切られた
赤々とした実は
毒を孕んでいる
どうしたらこの罪は
赦されるのだろうか
夏の影が押し寄せて
若い夢を潰してく
伝う歌さえ無いまま
声を嗄らして泣いている
夏の影が眩しくて
私を独りにする
繋ぐ命も無いまま
声を嗄らして立っている
ご意見・ご感想