「え、新しいカフェ? オープンされたら、ぜひお伺いしたいわ」
りりィさんはそう言って、微笑んだ。
移動カフェ「ドナドナ号」の近くのベンチで、両わきに、妙齢の女性が腰かけている。
心なしか、ちぢこまるように座る、吉育三さんだった。
言葉が、少なくなった彼を見て、料理をしているたこるかちゃんは、笑いながら言った。
「そういえばさ、このあいだ言ってた、あの...」
ちょっと、思い出しながら続ける。
「パクったみたいな、商品の話。あれ、結局、どうなの?」
「ああ、霧雨さんだろ」
吉さんは、話題ができたので、ホッとしたように答えた。
「でもその、霧雨さんという子は、パクリ屋じゃ、ないよ」
「そうなの?」
彼はうなずく。
「うん。あれから、社に帰っていろいろ、調べたんだけど、」
吉さんは、ボソボソと説明した。
「その子が、売込みで持ちこんだ作品も、しっかりしているし。じゅうぶん、オリジナルの魅力がある」
●今度、言ってやらなきゃ!
「あら。霧雨さんをご存じ?」
横で聞いていた、りりィさんが、ゆっくりと話に入ってきた。
「ええ、ちょっと。あれ、りりィさんはお知り合いですか?」
みんなは、彼女の顔を見た。
「そう...。人の作品をパクリしてた、って思われてるのね」
彼女はちょっと口を結んで、腕を組む。
「じゃ、ますます、今度、言ってやらなきゃ」
りりィさんは、食べていたホットドッグを紙に包んで、パックの皿に置く。
「彼女の作品が、“メグ・ハミング”の雑貨に似てるってことでしょう?」
「そ、そーです」
たこるかちゃんは、料理を作る手を休めて、思わずうなづく。
「彼女ね、ワザとやってるのよ、それ」
●テトさんのファンでもあるんですよ...
「ワザと?」
「ええ。ヒットしてる“メグ・ハミング”の天使の雑貨。作ってるのはルカさん、よね」
ユフさんと吉さんは、うなずいた。りりィさんは続ける。
「じつは、今、それとは別に、天使のデザインの雑貨を、私たちも作っているんです」
「え、そうなんですか」
吉さんは聞きかえす。
「ええ。デザイナーのテトさんと一緒にね」
りりィさんは、人差し指を立てて言った。
「霧雨さん、ていう子は、思い入れが強いところがあってね。私たちの作ってるものと、ルカさんの商品が、“ライバル”になる、と思い込んでいるようなの」
みんなは、顔を見合わせた。
彼女は続けた。
「霧雨さんは、テトさんのファン、でもあるんですよ」(ー。ー)
(次回に続く)
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kijima
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