さてさて、明日→入学式、土日用事があるので、できたところまで投稿しておきますね~♪
※注意
・カイメイ風味があります。・時代設定が、若干ズボラです。
・あくまで、私の想像です。キャラクターイメージが違う、というところがあるかもしれません。
・KAITO→海斗、MEIKO→芽衣子、となっています。
・自己設定の、架空のものが出てきます(例えば、妖怪だとか)。
・若干シリアスになっている、暗い部分があります。

以上のことが、OK!という方だけお読みください。






暗号─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─
異国より来たりし、踊り子の少女の音。

のみめ゛ちさかるんうゆのけら、ふねねん゛、けけうめやはあと。
よな、めひう゜ひにほすらぬぜひやとに、むねうさすのも。


─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─


「‥鈴ちゃ~ん、ほんとに大丈夫~?」

鈴の、〝気に入ってる宝物〟というのが、押入れの、高いところにあるため、彼女は苦戦していた。

「おいおい‥姉ちゃん‥おれが取るからどいてろよ?」

「イヤ!自分で取る!!」

また双子の言い合いが始まってしまう。

「あ、あったーっ!!」

とそのとき、突然、地面がぐらりと揺れ始めたのだ。

「おわっ!!」

咄嗟に、というか、あわてて座布団をかぶり、部屋の隅で小さくなる蓮。その一方で、踏み台に登っていた鈴が──。

ぐらっ‥‥。

「‥‥‥っ!!」

地震でバランスを崩し、足を挫いてしまったあげく、踏み台から落ちそうになる。

「鈴ちゃん‥‥っ!!」

落ちる瞬間、鈴の視界に、目の前で倒れてくるタンスが目に入った。

ドガッ‥!!



──‥痛く‥ない‥‥?

そう思い、ぎゅっとつぶっていた目を恐る恐る開ける鈴。

「‥‥よかった‥間に合って‥‥」

「か、海斗さん‥‥!?」

なんと、海斗が、咄嗟の判断で鈴を抱き止め、もう片方の手だけで、倒れてきたタンスを支えていたのだ。

「な、なんで‥‥!」

──‥私を‥かばったの‥‥?海斗が私をかばう必要なんて‥ないのに。

それを見ていた蓮が、駆け寄ってくると、

「‥ったく‥無茶すんなぁ‥‥」

そうため息をつくと、タンスを起こして、元の位置に戻した。

「あ、あの‥海斗‥‥!なんで私を──」

「‥そんなことより、鈴ちゃん、大丈夫か?どこか怪我したりしてない?」

海斗は、鈴の言葉を遮り、真剣な眼差しでそう言った。それに、鈴が、少々戸惑いながらも、

「あ‥うん。大丈夫だよ。怪我もして無い」

その言葉を聞いた海斗の表情が、目に見えて安心したようだった。

「よかった‥‥鈴ちゃんが無事で‥‥」

──‥こいつ‥人に必死になりすぎじゃねぇか‥‥このご時世で‥なんでそこまでできる?

ふぅっとため息をついてそう思った蓮。

もちろん、〝怪我もして無い〟という鈴の言葉は真っ赤な嘘だ。踏み台が揺れたときに、思いっきり足をひねっていた。

「それより、海斗は怪我してないの?」

「うん、僕は大丈夫──」

そう言いかけて海斗は、がくっと一瞬バランスを崩した。

「‥‥‥っ!!」

左肩をぐっと押さえ、痛みに顔をしかめる海斗。さきほど倒れてきたタンスの、一つの棚が、ちょうど、彼の左肩に直撃していたのだった。

「‥あんたこそ怪我してるじゃないの!まず自分の心配しなさい!」

「‥‥‥‥」

いつもなら、威勢良く言い返している海斗が、無言でうつむいたもんだから、

「ちょっ‥どうしたのよ‥‥?」

「‥‥そつき‥‥」

ぽつりとつぶやいた彼の声。小さ過ぎて聞き取れない。

「‥え‥‥?」

「うそつき‥‥!鈴ちゃん、足挫いてたでしょ?どうして‥どうして嘘つくの‥‥?」

涙目でそう言い出したもんだから、鈴はびくっとして、

「ちょっ‥ごめんって、いきなり泣き出さなくてもいいじゃないの!ほら、挫いたのぐらいすぐ治るから!あなたが心配すると思って言わなかっただけよ!ごめんね、イヤだったなら‥‥」

と返した。一粒の涙が、うつむいた海斗の瞳から零れ落ちる。

「‥って‥僕って‥‥」

「‥え‥‥?」

「君たちから見たら‥そんなに頼りない‥‥?」

思ってもみなかった一言に、蓮も鈴も戸惑いを隠せない。突き破れない静寂が、3人を包んでいる。

「‥本当のことを言ってよ‥‥僕だって‥‥誰かの役に立ちたいよ‥‥」

「‥海斗‥‥」

──‥これぐらいで大袈裟な‥‥。

蓮はそう思っていたが、実は、海斗がここまでの反応を示したのにはある一つの理由があった。

「僕が‥嘘を嫌いなのはね‥‥」

鈴を自分の膝から下ろすと、誰に話すとも無く、独り言のようにしゃべり始めた海斗。

「理由があるんだ──」



それは、火事で一時的に海斗の家に芽衣子が来てたときのこと。

「ねぇ、めーちゃん‥‥僕のとこ‥にしばらくいていいよ‥‥」

遠慮がちな海斗の言葉。

「いい」

無愛想な芽衣子の返事。

「ごめんね、めーちゃん。無理やり連れて来ちゃったから‥僕のせいだよね‥‥」

「あんたが謝る必要ないでしょ。あんたのせいじゃないし‥‥」

その返事に、咳を切ったように、海斗が、

「めーちゃんのバカ!!嘘つかないでよ‥‥!ほんとは辛いんだろ!?ほんとは悲しいんだろ!?だったらほんとのことを言ってよ!!」

がっと芽衣子の両肩を掴んで、海斗はそう言い放った。

「もっと‥頼ってくれたっていいじゃん‥‥」

そんな海斗に、くすっと笑って顔を上げる芽衣子の顔は涙で濡れていた。

「バカよ‥あんたが悲しそうな顔するじゃないのよ‥‥ほんとのこと言ったりしたら‥‥」

「‥嘘ついたりして‥泣かないでよ‥‥!」

思わず海斗は、震えている芽衣子をぎゅっと抱きしめた。驚いたような表情をする芽衣子。

「‥‥僕に比べたら‥めーちゃんほうが‥数百倍辛い思いしてるんじゃん‥‥」

──そのとき以来、海斗は、自分を頼らずに無理して嘘をつくことを、異常に拒否するようになってしまった。




「‥その‥悪かったな‥それぐらいで大袈裟なんて思っちまって‥‥」

「ごめんね、本当のこと言わなくて‥‥」

蓮は、少しうつむきがちに、鈴はとても申し訳なさそうに頭を下げてそう言った。しかし、海斗は、

「ううん。君たちの言ってることは‥普通だから‥‥」

ふっと儚げな笑みを浮かべていた‥‥。



ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

番凩・11 act5 鏡写しは嘘の味

まず謝ります、こんなつもじゃ無かったんですけど、シリアスになり過ぎてすいません><;
もとはシリアス方面が得意なので、問題はないのですが、ほのぼの→シリアス、となるのはどうにかしたほうがいいですね;;

さて、気を取り直して、最初の方の、海斗と芽衣子のやりとりに載せて無い部分を書いてみました(友人からシリアス過ぎるって言われた部分は修正してあります^^;)。
明日が高校の入学式、土日は家族で出かける予定があるので、投稿が空くと思いますので、続きはゆったりと待っておいてください♪

閲覧数:383

投稿日:2010/04/08 18:10:58

文字数:2,671文字

カテゴリ:小説

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  • enarin

    enarin

    ご意見・ご感想

    今晩は!、続き、拝読させて頂きました!。

    シリアスですね~♪。でも海斗の”信念”を改めて確認するためにも、いい機会だったと思います。海斗だって、”頼られる人物”ってのは、目指す所だと思いますし。

    でも、蓮以外、怪我しちゃいましたね。特に鈴の捻挫はちと気になります(日本舞踊の関係)。それと鈴も、ほのかに海斗に・・・。

    さて、明日は入学式で、休日はご家族で外出ですか~♪。東京は桜が満開みたいです。私も明日は外出がてら、桜をデジカメで撮影しようと思ってます。

    では、入学式、張り切って下さいませ!、そして、ご家族との外出、お気を付けて行ってらっしゃいませ。ではでは~♪

    2010/04/08 20:52:58

    • 愛夢☆ソライト

      愛夢☆ソライト

      >enarinさん
      ご拝読ありがとうございます!思ったより早く帰れたので、今日は投稿ができそうです。

      実は、あまり下書きはしないほうなのですが、自分が書くとシリアス過ぎになってしまうので、一つのことを確認するため、という目的のため、入れさせていただきました^^;

      そうですね?海斗は人が傷つくこと、怪我をすること、痛い思いをすることに過剰に反応しちゃいますから、できるだけ、身を挺して怪我することが多くなっちゃいます><;

      次は、謎解きに入るかもですので、見るときは、万一のことを上の注意書きを読んでから読んでください?♪では^^ノシ

      2010/04/11 13:43:56

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