【胸がきゅっとなる】(レンリン)
「ずっと一緒にいられたらいいのにね」
夕焼けがまぶしい、学校の屋上。体育座りで膝を抱えたリンが、枯れたような声で呟く。
一緒にいられたらって、誰が?……俺が?
「…それって、いつかはバラバラになるってこと?」
「そうだよ、ずっと一緒にはいられないの」
「ふーん………俺たちとは違うんだな」
「……そうじゃないよ、レン。あたしがいってるのは、リンとレンのこ」
「俺はリンと離れたりしない!」
リンの言葉を聞いていられなくて、思わず怒鳴ってしまう。リンは大きな目を悲しそうに滲ませて、膝を抱えなおした。
(嫌だな……そんな顔、させたいわけじゃないのに)
情けなくて、俺まで泣きそうになった。
「……このまま、一緒にはいられないよ」
「………なんで?」
「リンとレンは、姉弟だもん」
「姉弟だったらなおのことずっと一緒だろ?なんでそんなこというんだよ」
「……無理だよ。だって、リンは、姉弟なのが嫌なの……レンを好きになっちゃったから、」
だから、一緒にはいられないの…
そういって、リンはとうとう泣き出してしまった。ポロポロとこぼれるみたいに溢れ出るリンの涙は綺麗で、なんだかとても苦しくなった。
「……俺も、リンが好きだよ、世界で、一番……誰よりも」
「…………」
「リンが、姉弟が嫌なら……俺も、弟やめる」
「…………レ、」
「だから、」
一緒に、逃げませんか。
どこまでも追いかけてくる、あの優しい優しい夕焼けから。
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