―――私はルカが嫌いになった
そんなの嫌だ。ルカは親友だもん。絶対嫌だ。嫌だ・・・嫌・・・
・・・ルカ・・・キヨ・・・ハ・・・アハハ・・・アハハハ!アハハハ!
通り行く人が冷たい目線を送る中、私はその場にうずくまり、狂ったように笑い、泣いた。
―――――――――――――――――
ひとしきり泣き叫んだ後、とりあえずカラオケですっきりさせようと鏡音姉弟の元へ向かった。「ごめん。だいぶ遅くなっちゃった」
泣いていた事を悟られないように必死に笑顔を作った。
「・・・何かあったの?」
「えっ・・・!?」
あれ?気付かれた?
「何で?」
「何でって・・・目真っ赤だし」
「あっ・・・」
オマケに腫れていた。そりゃバレるわ。
「じゃ、話聞かせて貰おうかな?」
この話はあまりしたくない。また泣きそうだから。
「とりあえず中入ろうぜ」
せっかくのカラオケなのに、歌う気配は無し。何故か?
「・・・で、何があったの?」
これの一点張りだからだ。
全力で話をそらそうとするが、あっという間に戻されてしまう。
「そうやって自分の中に溜め込むつもり?」
「えっ?」
「私達友達でしょう?・・・そんなに頼りにならないかな?」
そんな今にも泣き出しそうな声で言われたら・・・
「そんな事無いよ・・・」
「じゃあ何があったか言って!」
そんなのずるい。それにそんな食い気味で言わなくても・・・
「・・・わかったよ」
折れるしかなかった。そして全部を話した。キヨを好きになった事。それをルカは応援してくれるって言ってくれた事。そして、さっきの出来事・・・
「ミクぅ~~」
リンが抱きついてきた。あれ?リン、泣いてる?
「辛いよね・・・凄い辛いよね・・・」
私の為に泣いてくれてる。それだけで嬉しかった。気付いたら私も泣いていた。
「リン・・・ありがとう・・・」
すると今まで黙っていたレンが私の方に向かってきた。そんな怖い顔、今まで見たこと無い。
「ルカかキヨテルの番号知ってるか?」
「知ってどうするの?」
「いいから教えろ!」
確実に怒ってる。軽く呆然としたが、レンは真剣だったからルカの番号を教えた。
レンはおもむろに自分の携帯を取り出し、教えた番号を入力している。
「レン!何する気?」
レンは答えなかった。怒りの表情を浮かべながら、電話をしている。
・・・空気が重い。
嫌な予感しかしない。
「只今電話に出られません。メッセージをどうぞ。」
微かに聞こえる留守電。少し安心した。
それも束の間だった。
「鏡音レンだけど、自分のしてることわかってんのか?ミクがキヨテルの事好きなの知ってんだろ?立派な裏切りだ。俺は許さない。てめえの事、俺は絶対・・・」
「やめて!もうやめて!」
レンから携帯を奪い取り、電話を切る。
「ミク・・・何でだよ」
「レン。ありがとう。気持ちだけで十分だよ。でも、これ以上巻き込めないよ」
「そんな事言うなよ。俺達友達だろ?」
「それでも!これは私の問題だから。・・・今日は話聞いてくれてありがとう。」
「おい、ミク!」
気付いたら私は店の外まで来ていた。その足は止まることなく、涙も止まることなく、ひたすら走りつづけた。
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kurogaki
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