「ただいま~」
「あらっ、おかえり。・・・グミヤくんは??」
「ん~?なんか、もうちょっといるって。」
「そう・・・そうね・・今日も月が綺麗に出るって言ってたわね・・。」
「お母さん??」
「あぁ・・・なんでもないわ。」
お母さんは、まるで笑ってごまかしているようだった・・・。
-・・・月?
わたしは部屋に戻ってベッドに寝転がった。
わたしの頭の中にはグミヤしかいない・・・・。
この時のわたしはバカだったから。
-あぁ!!もうっ!!
わたしは布団に潜り込んで忘れようとした。
すると外からザーッという音が聞こえて窓を見た。
もの凄い量の雨が降っていて、わたしはグミヤに傘を持っていこうとした。
そういえば、朝のニュースで降水確率が高かった事に今、思い出した。
慌てて傘を2本持って、さっきの公園まで走った。
「はぁはぁ、グミヤッ!!」
グミヤは雨の中ベンチに1人座っていた。どうやらわたしの声は雨の音にかき消されて聞こえていないようだ。
わたしはゆっくりとグミヤに近づいた。
月明かりがグミヤを照らしているようだった・・・・。
「グミヤ・・・・?」
わたしが声をかけるとグミヤはわたしの腕をいきなり掴んでわたしをベンチに押し倒した。
わたしも雨に濡れながらグミヤの顔を見た。
-瞳が・・・赤い?
グミヤの顔色は悪くて、瞳は血のように真っ赤だった。
さっきまでのグミヤとは雰囲気が違って、少し怖い。
「グミヤ・・・どう・・・・したの?」
「血を・・・血を・・・・」
「血・・・・?」
グミヤはわたしの体を抑えて首元に口を寄せた。
あの時とは違う・・・グミヤは強引に首に牙を刺し血を吸った。
「いたっ!・・・痛い・・よ、グミ・・・ヤッ!」
必死に抵抗してもグミヤの力は強く、わたしの力ではとてもじゃないけど敵わなかった。
わたしが必死に抵抗してると突然目の前が真っ暗になった。
月が雲で覆われたのだ・・・・。
「グミヤ・・・やめてっ!」
するとグミヤの動きがピタッと止まった。そしてわたしの首元から牙を離し、顔を上げた。
瞳は血のような赤色からいつもの綺麗な青に戻っていた。
グミヤは、すごく驚いている様子だった。
「ぐっ・・・ぐみ・・・ご・・めん。」
謝るグミヤの顔は涙が零れそうで、すごく悲しそうで・・・。
グミヤはベンチから離れ、わたしは起き上がった。
雨の中に立つグミヤの後姿は辛そうで、今にも何処かへ消えてしまいそうでわたしは不安になってグミヤの手を掴んでしまった。
わたしは自然と微笑んでグミヤに言った。
「グミヤ・・・家に・・帰ろう?」
「ぐ・・み?」
「ねっ?」
頭の中は混乱している・・・なんで?どうして?何があったの?って。
でも、今はただグミヤが心配だった。
でもやっぱり、少し・・怖い。
また・・・あんなことが起きたら・・・・・。
グミヤは、何も言わず頷いた・・・・。
わたし達は家に向かってわたしが持ってきた傘を差しながら一緒に歩いていった。
「ぐみ・・・ありがと。」
「えっ・・・・?」
なんでもない・・ただその一言がわたしの体の中で溶けて不思議と心が温かくなった。
グミヤの優しさにわたしは・・・また助けられた。
わたしもグミヤに何か出来たら・・・なんて思った。
コメント1
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素直に なれない
ホントは こんなんじゃない
ありのまんま 見せたいのに
(Bメロ)...「ありのまんまで恋したいッ」
裏方くろ子
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ご意見・ご感想
紅華116@たまに活動。
ご意見・ご感想
おおおおおおおおおおおおおおお!!
グミヤかっこいい!!結婚してくr((((((
赤目グミヤ私も見たい!!
ぐみをグミヤが襲う(?)ところがなんとなく好き←変態
次も楽しみだ!!お母さんの言っていたことが気になる!!!
2011/05/22 12:54:59
甘菜
>>紅華
コメありがと?♪
うん、作者のわたしも襲われるシーン大好き♪
赤目・・・妄想するだけで萌えるww
ルカさん、謎だわwww
今度も頑張ります?♪
2011/05/22 20:16:26