「だ、だめえ! そ、そこは・・・」
「いーじゃん、別に。負けてもさ」
首の後ろにリボン結びをしたカイトのショタバージョン、略してショタカイトが、俺の一手しようとするのをうらめしそうに見つめる。そんなのに構わず、俺は黒の碁石を置く。
「これで一気に2つリードだな、ショタカイト」
俺はにっこりとして、盤の向かい側にいる青いのに言う。
「うぅ・・・、途中まで勝ってたのに、アカイトの意地悪・・・」
顔は赤く染まって、なかなか俺好みの表情。そんなショタカイトを見つめれるなんて、なんか俺って幸せ者だよなー。なんて思っていると、
ピンポーン
玄関から響くチャイムの音。・・・こんな時に、誰なんだよ。まぁ、でも無視するわけにもいかないので、俺は玄関に行ってドアを開ける。すると・・・、
「すいましぇーん、あしょびに来ましたー」
・・・ん? 見た目が、さっきまで俺とオセロしてたショタカイトとまるっきり同じだ。でも、口調はどことなく舌っ足らず。俺は、首をひねりつつ聞いてみた。
「あの、どちら様だ?」
「どちら様? んーとねー」
しばらく黙ってから、
「ショタショタカイト様だー!」
と、実に可愛らしく、ショタショタカイト様は言った。・・・やばい、可愛すぎる。
「おぉ! 弟よ!」
背後でこれまた可愛い声がして、とたたっと玄関にやって来るショタカイト。
「・・・お前、弟いたのかよ」
思わず聞くと、ショタカイトは頷く。
「親分!」
「・・・お前、親分だったのかよ」
ショタショタカイト様の言葉に、思わず聞くとショタカイトはこくこく頷く。
「もう帰ってこいって、みんな言ってましゅよー。しゃあ、帰りましょう」
やべえ、可愛すぎるぜ、と萌えるのはさておき、俺は1つ疑問に思って聞いてみる。
「・・・みんなって、何だよ?」
「しょーれはー、「また今度遊びに来るね!」
ショタショタカイト様の言葉を遮り、ショタカイトはそう言って外に出て行く。それについていくショタショタカイト様だったが、くるっと俺を振り返って、
「ひみつだってしゃー」
やっぱり舌っ足らずに言って、とことことショタカイトを追ったのだった。
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