場所はフォレスタ・キングダムの兵舎。

 時計の針が指す時刻は20時30分……ミクは寝泊まりをする寮のなかで、パーティーメンバーとトランプ遊びをしていた。4人ともパジャマパーティー姿となり、寝る前に親密感を上げようとしている。
 ちなみに遊ぶのは【ダウト】なるゲームだ。自分の手札から裏向きにしたカードを出すとき、数字を「1」と言ってAのカードを差し出す。次のプレイヤーは「2」と言って2のカードを出していき、そこから順に3→4→5→6と数字を言っていく。

 ゲーム進行の流れは……。

「7」と言ったミクは手札からカードを出した

「8」と言ったレンは手札からカードを出した

「9」と言ったリンは手札からカードを出した

「10」と言ったフーガは手札からカードを出した

「11」と言ったミクは手札からカードを出した

「ダウトッ!」レンはミクの出したカードを疑った

「うぅっん……」

 ミクは自分の出したカードを他のプレイヤーたちに見せなければならない。このとき、置いたカードをパジャマの裾へ入れようとしたのだが……。

「あっ! またズルしてる!」とレンから咎められてしまい手札を開かれてしまった。

 すると出したカードにはハートの【10】と印されている。

「ヤングレディが…ダウトだったんだね……」

「僕は他のみんなが、10のカードをだしたの数えてたんだ」

「あっハッハッハッ! ミクちゃん、ウソがバレちゃったね♪」

「ううっ…くやしい〜っ」

 といった具合に出したカードの数字が、相手に偽りだと見抜かれてしまうと出してきたカードをすべて手札に加えなければならない。ダウトで勝利するコツは、自分の手札と相手の手札の数字が何回だしたかを記憶することにある。
 ただしこのトランプ遊び、終わらないゲームの代名詞なのでダウトをする際は時間制限を設けたほうがいい。

「私は疲れちゃったから、そろそろ寝ようか?。クエストの途中だし、このまま夜更かしして寝坊しちゃいけないよ」

 ダウトに負けてしまったため、ミクはメンバーに就寝を促している。本心は上手いことを言って、トランプ遊びを早く終わらせたいのだ。

「それもそうね。今日の報酬も20Gだし、あしたはレンと引きこもりが、どれだけガンバれるかに掛かってるわよ」

「ああ…そうだ。ぼくとボーイには…ナイトのサブクエが待ってたね……」

「今から嫌な予感しかしないよ」レンは明日の夜に受けなければならない騎士の仕事へ不安ばかりが募っていく。

「じゃあ、もう寝ようね〜っ……!?」

 自分の思惑通りとなったのでミクは、ベッドの上へ用意された綿の詰まった布団のなかへ、そそくさと入り込んでいこうとしたのだが……このとき首飾りが震えだした。
 ジッジッジッジッジッジッジッ……とエメラルドに輝くジークレフの振動が激しくなっている。他の3人も同じであった。

「こっこれは…いったい、なにがあったんだ……」

 メンバー内だと年長者であるフーガは、ジークレフの反応に困惑していた。理由も長きに渡って身に付ける首飾りが、自分たちに警告を示しているように感じたからだ。

「たぶんコレは……壊れちゃったんじゃない?。ほら、このお守りって昔からあるモノなんでしょ?」

 リンはジークレフが骨とう品のように年期あるモノなので、ついにダメになったのだと思っていた。

「そんなこと言ったら、バチがあたるよリン!」すかさずレンは姉に注意している。

「私も、お守りが壊れたんじゃないと思うよリンちゃん……。ちょっと気になる反応だから、旅の手引きに書いてあるか調べてみるね」

 ジークレフが見せる共振に不穏な気持ちが芽生えてしまい、その事についてミクは何なのか知りたくなった。なので[旅の手引き〜これであなたも立派な冒険者]を“ふくろ”のなかから出していく。

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

G clef Link 元騎士団長12

次話
https://piapro.jp/t/Vs_G

ダウトを友だちとすると
最終的にグダグダなゲーム展開になる

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投稿日:2020/03/11 00:48:16

文字数:1,609文字

カテゴリ:小説

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