一歩進み、また一歩進む。低い柵で囲まれた場所。その真ん中で少女二人は膝をつかされる。少女たちは金色の髪に群青色の目をして、服は汚れ破けている。
柵の外にはたくさんの人々。髪の色も様々だが、金色の髪をもつ者は誰一人としていなかった。
「言い伝えが今!!」
「あれが……なんとおそろしい双子!!」
「ほしい。誰もが願うこと、それが今手に入る!」
柵の中に一人の男が入った。黒い服をきた、青い髪の青年だ。片手に剣を持っている。真っ黒な剣を。
少女達は両手と首に鎖をつけられ、自由に動くことができないでいた。一人の少女がもう一人に話しかける。
「ここはどこだ?なぜ、私たちをみんな見てる? ・・・・・・お姉ちゃん?」
姉と呼ばれた、片目の少女は妹に微笑みかける。
「私と一緒に、楽しい世界に・・・・・・今から行くんだよ」
何も知らず、状況を飲み込めていない妹を安心させるため、姉は嘘をついた。叫ぶ人々の声をききながら、姉は青年の顔を正面から睨みつける。ひざはつかされていても、背筋を伸ばし堂々と。
「大丈夫」
妹を安心させるためか、自分自身を安心させるためか、姉は静かにつぶやく。誇り高くあろうとしている姉の姿を、妹はじっとみつめる。そして、人々の叫びから聞こえた言葉に妹の体は震える。
「あぁ、ほしい」
「早く、早く!!」
「早く! ――ろせ!!」
「早く! コロセ!!!!」
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KIA
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わわwwww譜失姉妹を使って頂きありがとうございます!!!小説の方ですが、展開が・・・展開がとても気になります(・ω・)!続き楽しみにしております!!
2011/09/03 17:24:29