こんばんわございます。鶏です。少し遅れましたが真昼の月のコメンタリーという事で用意させて頂きました。銀河鉄道と違って難解なオブラートも無くわりとストレートに書いたつもりなので超意訳は省略させて頂いて、イメージベースとコメンタリーの二本立てでいかせて頂こうかと思います。もうほぼ完成しているかとは思いますがアレンジングや歌唱時のイメージ作り等の参考にして頂ければ幸いです。
【イメージベースのお話】
・真昼の月
僕が子供の頃にちょうど何処かのドラマで「真昼の月」という常盤貴子と織田裕二が主演している連続ドラマがやっていて、わりと薄暗いドラマだったのですが作中の台詞で「昼間は太陽に霞んで見えないけれども彼女のトラウマは真昼の月のように確かにそこにあるのよ」みたいな言葉が凄く印象に残っていて、言ってみれば晴れやかな日々に、それでもひっそりと息づいている不吉の象徴としての言葉としてのイメージがあります。
・空澄みの鵯と/あさき
KONAMIの音ゲーのファンユーザーの僕はよくあさきなんかを愛聴していたりするのですが、あさきの1stアルバム「神曲」の中のラストトラックであるのが「空澄みの鵯と」という曲でして、全体的に難解なアルバムなのですが日本語の描写が凄く綺麗なナンバーなので興味がありましたら一度聞いてみたりするのもお勧めな今日この頃です。僕ギタドラ勢なので詳しくは知りませんが、たぶんポップンミュージックにも収録されてるかもしれません。
――ゆっくり 歩いて 行こう
――だが、それでも、 追いかけていこうと思う
というのがこの曲に関するあさきのコメントでして、真昼の月のイメージベースの根本はこのテーマに対するリスペクトとオマージュとカヴァーで出来上がっています。まぁ、似せても似つきませんが僕の中のイメージの根幹はやっぱりここが強いと思います。
・ファスナー/ミスチル
甘ったるいラブソングのイメージの先行するミスチルですが、その実、桜井が真価を発揮するのはこの手のアンニュイソングであるような気がします。ポップスでアンニュイソング書かせたら彼の右に出る者はいないでしょう。すげぇぜ桜井さん。そこに痺れもしないし憧れもしないっ!
・イメージベース総括
自分で書いておいてなんですが基本的に幸せいっぱいという歌詞では無いと思います。むしろ幸せというものの実像を限りなく疑っている歌詞で、全ての幸福は蜃気楼のような虚像であるという確信を持ちながらも甘んじてそれを感受していこうというある種の悟りの境地であるのかもしれません。仏教的に言うなら思いっきり魔境なんでしょうが。それはそれである種とても人間臭いのではないかと思う今日この頃です。
ある種諦めの歌であるのかもしれません。でも、それは決して消極的な意味ではなくて確たる意思の元になされているのではないかというか、柳は緑で花は紅で、幸せは奈落に張られた薄氷の上にかかる蜃気楼の中で静々と感受していくものなのだろうみたいな感じのニュアンスです。よくわかりません。
【参考資料】
・空澄みの鵯と/あさき
・フェイク・ファスナー/ミスチル
・四月は君の嘘
・うそつきのパラドックス
・サラダデイズ
・ハレルヤオーバードライブ
【コメンタリーなお話】
・タイトル
今回はとりあえず最初に真昼の月というタイトルを決めてしまいました。どう考えてもアンニュイな題材になりそうなので何度か変更しようかとも思いますが、曲調自体が「幸せいっぱい夢いっぱい」という雰囲気では無かったので、結果的にちょうど良くマッチしたのではないかと思います。(自画自賛)
・intro
エロゲのOPみたいな導入を目指してみました。足元からぶわーっと風景が広がっていくような情景を描けたら良いなぁみたいな感じでした。ここがスタートシーンでありラストシーンであるみたいな感じです。全ての生命はヌゥに始まりヌゥに終わるみたいな感じかもしれません。
・1A
今回は全体的に情景描写を多めにしてあります。ガラスで区切るっていうのはなんですかね。視覚的には何も遮るものが無いのに確かに壁が存在していて、手を伸ばせば届きそうなのに不思議と開ける事もためらわれて、そこだけが隔離された空間みたいな感じがしますね。
・1B
鬱蒼とした雨も何処かの儚げな美少女の涙とか思うとなんかロマンチックなような傍迷惑なような。ところでこの傘何処が壊れたんですかね。傘の柄なのか骨なのか。たぶんなんかこう開いたまま下に下ろしてバケツみたいにしてるんでしょうね。掬い取ってどうするんでしょうか。喉でも渇いていたのかもしれませんね。
・1C
雨上がりと言えば虹っていうのがカブト虫よろしくなラブソングの王道ですが、水溜りというワンクッションを置くことによって、なんとなくアンニュイな感じになっています。虹って水に光が乱反射して出現しているので、雨=誰かの涙と仮定すると、虹=誰かの涙の後が見せる幻で、水溜りは誰かの涙そのもので、つまり水溜りに映る虹っていうのは・・・・オラ、なんか頭痛がしてきたぞ!
・1S
真昼の月というのは平穏に見える日常に紛れ込んで見えないけど、確かにそこにある暗い光。
彼にとってはもしかするとそれは幸せな夢を醜い現実に引きずり込んでしまうラーの鏡なのかもしれません。
えっ、あれですよ。ラーの鏡ってほらドラクエによく出てきた真実を映すとか専らの噂の・・・・。
真実が照らし出されてしまえば愛しいあの娘はネリーヴィルのようなガチムチに寝取られているかもしれませんし、彼女の語る愛はただの依存や惰性であるかもしれませんし、ともすれば金銭欲なのかもしれません。一気にブラックな歌になってきました!素敵!
・2A
1Cの終わりから抽象的で幻想的な感じにしてきたのを2番に入る所で一気に地表に戻します。そして間髪入れずに夕暮れに染まっていくというアンニュイなフレーズにより再びドリームワールドに展開するという超展開。
・2C
伸びていく二つの影というのは恋人達の半身といってもいいかもしれません。そしてそれは同時に二人の積み重ねてきた時間の解釈という意味にも拡大解釈されるものであるでしょう。(何故か和訳文章チック)
君と交わす言葉だけが真実になれば良いとかもうあれですよね。根本的に何も信じてないですよねこの男。目に映るもの全てが彼にとっては虚像に過ぎなくて、彼女と交わしている甘ったるい愛の言葉なんかも結局は彼にとっては実像足りえないのでしょう。それでも、それを求めているからこそそれだけは本当になれれば良いという願望を確固たる意思として持っているみたいな感じかもしれません。めんどくせえ男だぜ!
・2S
夕暮れ時に自転車を押しながら語らいあう若き高校生カップルみたいなのを見ると爆破したくなりますが、男女なんて水物ですからマジになればマジになるほど、失ったときのリスクは大きく、常に爆弾背中に抱えて生きてるようなものなので、放っておいてもそのうち爆発するんじゃないかなという感じで、「リア充爆発しろ!」という2chでよく語られる他力本願な慣用句は実に的を射ているのではないかと思う今日この頃だったりします。
・2D
どんな夢を見たかは知りませんが、たぶん爆発した夢でも見たのかもしれません。ミスチルの桜井とかよく爆発してますよね。流石にもう最近は聞いてないですけど、何年か前に聞いた「フェイク」という曲では桜井のネトラレ魂が良い感じにグルーヴしていてかなり良い感じでしたね。正直ミスチルはネトラレ成分をスパイスに振り掛けられれば良いかなと思ってたんですが、改めてフェイク聞いたら根っこのほうから何か隔世遺伝してそうな気がしてきました。まぁ、気にせずいきましょう。
・3E
仏教的に言うなら「豁然大悟致した」って感じのシーンになります。
昼の空に薄っすらと見える不吉の象徴は、暗がりの中で、それでも確かに自分達を照らしている。
それが良い事か悪い事かは別として、それは最早どうしようもなくそこに在るのだという諦めのシーンですね。
悪戯にそれを否定するのも肯定するのも目を背けることと何も変わらない。
ただ、そこにあるものをありのまま享受していく他無いのなら、そうしていこうという感じです。
・3S
この幸福がある日突然失われて、絶望に姿を変えてしまったとしても。
その時自分は剥がれ落ちた夢の中にすがりつく事しかできなかったとしても。
それで良い。今はただ、この幸せを感じながら、ゆっくり歩いていこう。
みたいな感じですね。こうして書き出してみると何の救いも無い酷いテーマだなぁ。
でも上っ面はわりと明るく纏められたんじゃないかなと思います!
雨上がりの虹に「君と歩いていこう!」なんてポップスが大好きそうなフレーズがてんこもり!素敵!
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