この高校に入ったことはまあまあいい選択だった、とグミは思う。家から10分もかからないし、部活も楽しく先輩や同級生とも仲良くやっていけてる。勉強も…まあ、頭がいいとは言えないけど、それなりの知識くらいはある。だから今のこの生活は充実していて悪いことなんか何もないと思ってた。

…あの時の、あのことさえ無ければ。





4月の初め頃、桜が散りかけて花のかわりに葉がついてきた頃にグミの通う高校で入学式が執り行われた。グミは希望と期待に胸を膨らませる入学生達をどこか懐かそうな眼で見ていた。グミは今年で二年生になる。正直に言うとあまり入学する生徒に興味は無く、心がどこかに抜けてしまったような感じで上の空だった。
「グミ、なんかぼーっとしてるけどどうかした?」
隣にいるミクが話しかけてきた。
「えっ、…ああ、ごめん、ちょっと眠くて」
「そう?」
「ん…心配ないよ、ありがと」
そう言ってグミはまた物思いに耽った。
ああ、そういえば確か転向生がうちのクラスに来るんだっけ…。そんなことを考えてるうちに生暖かい風に吹かれてグミは浅い眠りについた。


「グミ、グミ起きて」
「……ん…、あれ、いつの間に教室戻ってきたっけ…」
「さっき戻ってきたでしょ。もー、しょうがないんだから」
グミはちょうど前の席にいるミクを寝ぼけた眼で見た。教室は少しだけざわついている。多分転校生のことでも話してるんだろう、そんなことを考えていたら教室の戸が開き先生が入ってきた。
「はーい、みんな静かにしてー。あなたたちはもう高校二年生なんだからいつまでも浮ついた気分でいちゃダメよ」
そう言って先生は生徒たちの方を向いた。
「みんな知ってると思うけど、転校生が来たの。紹介するわ。さ、入って」
そう先生が言って一人の男子が教室の中に足を踏み入れた。
「紹介するわ。隣町の綾音高校から転校してきた黒崎帯人くんよ。」
その男子生徒の姿を見てグミは眼をみはった。身長は177はあるだろうか、白い肌に整った顔立ちをしている。だが、グミが気になったことはそんなことではなかった。
この男子生徒はちょうど眼にかかる程度の前髪の奥で頭に包帯を巻き、右目を完全に隠しきっていたのだ。

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  • この作品を改変しないで下さい

【小説】翠色の事情。【GUMI×帯人】

何だろう、これ…。
何故か自分の勝手な妄想でグミ×帯人という状況に陥ってしまっている…。
なんか自分の文才の無さでこんな所で終わってしまいました。すみません…。
続き、書けるかな…。
ちなみにこの小説ではグミは翠川グミ、帯人は黒崎帯人っていう名前になります。そこんとこ宜くです(^-^)/

閲覧数:163

投稿日:2010/05/27 21:40:58

文字数:925文字

カテゴリ:小説

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